水力実施協定の活動成果

第1期 (1995~1999年)

第2期 (2000~2004年)

第3期 (2005~2009年)

第4期 (2010~2014年)

第1期 (1995~1999年)

Annex-1:水力発電施設の更新・再開発 (カナダ、フィンランド、フランス、ノルウェー、スウェーデン)

本Annexは、既設水力発電設備の更新・増強・機能向上等を計画する場合に必要となる水車、発電機、制御システム等に関する技術的課題を調査・研究し、事業者の手引きとなるガイドラインの作成を目的として、カナダ(Hydro Quebec社,Ontario Hydro社)、フィンランド(IVO Power Engineering Co.)、フランス(EDF社)、ノルウェー(Statkraft社)、スウェーデン(Vattenfall社)等が参加した。 発足当初はEDF社がOA(活動リーダー)を務めたが、その後の欧州域内の電力自由化の波を受けOAの継続が困難となり、代わってHydro Quebec社がOAを引き継ぎ、以下の3つのガイドラインを作成し公表した。

≪成果報告書≫

  • ☆IEA技術報告書「フランシス水車の更新のためのガイドライン」
  • ☆IEA技術報告書「水力用発電機の更新のためのガイドライン」
  • ☆IEA技術報告書「制御システムの更新のためのガイドライン」

Annex-2:小水力発電 (カナダ、フランス、ノルウェー、イギリス、中国)

本Annexは、小水力発電の経済性向上に資する情報提供を目的として、カナダ(天然資源省(NRCan))、フランス(環境・エネルギー管理庁(ADEME))、ノルウェー(Trondheim 工科大学)、イギリス(Willson Energy Association Co.)、および中国(杭州国際小水力発電センター)等が参加し、カナダ天然資源省がOA(活動リーダー)を務めた。

≪成果報告書≫


Annex-3:水力発電と環境(カナダ、フィンランド、日本、ノルウェー、スペイン、スウェーデン)

本Annexは、従来の水力発電計画において自然・社会的環境影響が激しい議論の的になったケースがあったことを踏まえて、広く社会に向けて水力に関する公正かつ客観的な情報を提供することを目的として、水力発電から生じる環境負荷およびそれらに対する回避・緩和策についての勧告を含むガイドラインを作成した。

本Annexへの主な参加機関は、カナダ(Hydro Quebec,Ontario Hydro)、フィンランド(Kemijoki Oy社)、日本(新エネルギー財団)、ノルウェー(水資源・エネルギー庁(NVE))、スペイン(電気事業協会(UNESA))、スウエーデン(Vattenfall社)で、ノルウェーがOA(活動リーダー)を務めた。

本Annexは、その取組みが環境全般と広範にわたり参加各国の関心も高く、5年間の活動を通して16カ国の政府機関、大学、研究機関、電気事業者、世界銀行、国際団体、NGOなどから多数の専門家が専門家会合やワークショップに参画した。

≪成果報告書≫

☆IEA技術報告書 「水力開発による社会・環境影響及び影響緩和策の効果に関する調査」(2000年5月、英文) リンク  
☆IEA技術報告書「水力発電とその他発電技術による環境影響の比較」(2002年6月、英文、和文) リンク リンク
☆IEA技術報告書「水力発電プロジェクトの環境影響評価のガイドライン、立法的枠組み等の調査」(2000年5月、英文)  
☆IEA技術報告書「水力発電と環境:現状と将来行動のためのガイドライン」(2000年5月、英文、和文)    
Vol.1 「要旨と勧告」      リンク  
Vol.2「Main report」      リンク リンク
Vol.3 「Appendix」      リンク リンク
☆IEA技術報告書「環境影響緩和策の有効性」(2000年5月、英文、和文) リンク リンク

Annex-5:教育・トレーニング(日本、ノルウェー、スウェーデン)

本Annexは、将来にわたり水力開発を進める上で十分に教育された人員が必要であるとの認識の下で、水力発電計画、運転および保守に関する教育・トレー二ング手法を調査・研究を行った。また、十分な教育施設を持たない開発途上国等であっても教育・トレーニングを実施し得る遠隔教育システムに関する可能性調査を実施した。本Annexへの主な参加機関は、日本(新エネルギー財団)、ノルウエー(Trondheim工科大学)、およびスウエーデン(Vattenfall社)で、ノルウェーがOA(活動リーダー)を務めた。

≪成果報告書≫


このページのトップへ

第2期 (2000~2004年)

Annex-2:小水力発電(カナダ、フランス、中国)

本Annexは第1期活動を継続するもので、引き続き小水力発電に関する技術や環境影響緩和策等の情報共有を目的として、カナダ(天然資源省)、フランス(環境・エネルギー管理庁)、および中国(杭州国際小水力発電センター)が参加した。カナダ天然資源省が第1期から引き続きOA(活動リーダー)を務めていたが、2004年4月からフランスの環境・エネルギー管理庁がOAを引き継いだ。

活動成果として、第1期で構築したデータベースの内容の充実、小水力発電の計画に有用なソフトウエアの開発と公開、および定期的なワークショップ等の開催による情報交換や発展途上国への技術移転等を図った.

≪成果報告書≫

☆データーベース「International Small-Hydro Atlas」 リンク  
★ Waterpower XII(2001)におけるワークショップ    
★ Hydrovision2002におけるワークショップ    
★ Waterpower XIII(2003)におけるワークショップ    
★ Hydrovision2004におけるワークショップ    
★ Waterpower XIV(2005)におけるワークショップ    

Annex-6:水力発電の社会的認識 (カナダ、フィンランド、日本、ノルウェー、スウェーデン、アメリカ)

第2期活動において新たに発足した本Annexは、水力発電に関する世論の理解促進は各国に共通する根本的な課題であるとの認識に立ち、エネルギー供給における水力発電の重要性や水力発電に関する理解の促進を目的として、カナダ(天然資源省およびHydro Quebec社)、フィンランド(Kemijoki Oy社)日本(新エネルギー財団)、ノルウェー(E-CO Vannkraft社)、スウエーデン(ELFORSK AB社)、およびアメリカ(米国内務省開拓局およびArgonne国立研究所)等が参加し、米国内務省開拓局がOA(活動リーダー)を務めた。

≪成果報告書≫


Annex-7:水力発電教育ネットワーク(日本、ノルウェー、スウェーデン)

本Annexは、Annex-5(教育・トレーニング)活動の継続として位置付けられるもので、Annex-5での検討結果を基に、水力発電技術者を対象とした遠隔教育システムの構築を主な目的として、日本(新エネルギー財団)、ノルウェー(国際水力センター(ICH: International Center of Hydropower))、およびスウエーデン(Vattenfall社)が参加し、ノルウェーの国際水力センターがOA(活動リーダー)を務めた。

本Annexの具体的成果は、汎用ソフトを利用した遠隔教育のための基本的システム(Platform)を構築し、試験運用のために幾つかの教材を組み込んだパイロットモデルを完成させ、更に遠隔教育システムの発展途上国への展開も視野に入れアジア工科大学(AIT)において東南アジア諸国から水力関係者を招請して遠隔教育システムを紹介するとともに、各国の現状と課題に関するワークショップを開催した。

≪成果報告書≫

☆プログラム「水力発電教育ネットワークのパイロット・プログラム」    

Annex-8:水力発電:成功事例(環境緩和策と便益)(日本、カナダ)

本Annexは、Annex-3(水力発電の環境・社会的側面)を発展的に継続させたもので、環境に配慮した水力開発を推進するために、水力開発から生じるさまざまな自然的・社会的環境問題を回避・低減した成功事例を世界の各地域から収集し、水力発電に関心を持つ関係者に広く情報を提供することを目的として、日本(新エネルギー財団)とカナダ(Hydro Quebec社)が参加し、日本(新エネルギー財団)がOA(活動リーダー)を務めた。

本Annexでは、さまざまな自然的・社会的な環境問題に加えて水力開発に伴う便益の享受を15の課題に区分し編纂することにより、各成功事例の理解や比較検討を容易に行えるようにした。世界20カ国から60件の成功事例を収集・編纂し、以下の報告書に取りまとめている。

≪成果報告書≫



このページのトップへ

第3期 (2005~2009年)

Annex-2:小水力発電(カナダ、フィンランド、フランス、日本、ノルウェー)

本Annexは、第1期から活動を継続しているもので、カナダ(天然資源省)、フィンランド(Kemijoki Oy社)、フランス(環境・エネルギー管理庁)、日本(新エネルギー財団)、ノルウエー(水資源・エネルギー庁)が参加し、以下の各テーマについて活動を行っている。

①Subtask-A3: 政策と経験

参加各国の水力開発に係る政策、許認可手続き、開発促進策等を取りまとめた国別報告書(Country Report)を作成し、より効果的・効率的な開発促進策等を提言する。

②Subtask-A4: 定期的なワークショップの開催

③Subtask-B2: 革新的技術

小水力発電の開発促進を目的として、小水力発電に係るさまざまな革新的技術情報を収集し、広く情報発信することで新技術の導入を図る。

④Subtask-B5: コンピュータ・ソフトの開発と水平展開

カナダが主導して開発している小水力発電の計画・基本設計のためのコンピュータ・ソフトの紹介と普及を図る。

≪成果報告書≫



Annex-(9):持続可能な水力の公的受容

本Annexは、Annex-6(水力発電の社会的認識)の継続である。エネルギー供給における水力発電に関する理解促進という目的の重要性に鑑みて、執行委員会において取り扱うこととなり、具体的な活動として以下のようなことを行っている。

①IEA水力実施協定ウエブサイト(www.ieahydro.org)の維持・更新

②国際水力協会(IHA)等の他の水力関係機関との連携

③水力に係る国際会議等の場での広報活動


Annex-10:水力システムへの風力の統合

本Annexは、風力実施協定が発足させた「Task24:Integration of Wind and Hydropower System」との協働プログラムとして始めたものである。風力実施協定が活動主体となり、風力発電電力の系統安定化技術の向上を目的として各種情報の交換・共有を行っている。


Annex-12: 水力発電と環境(ブラジル、フィンランド、日本、ノルウェー)

本Annexは、ブラジル(鉱物・エネルギー省)、フィンランド(Kemijoki Oy社)、日本(新エネルギー財団)、ノルウエー(水資源・エネルギー庁)が参加し、ブラジルがOA(活動リーダー)を務めている。本Annexでは、以下の2つのテーマに関して活動を行っている。

① Task-1: 貯水池における炭素循環

ダム貯水池からの温室効果ガス(メタン等)の排出量に関する関心が高まる中で、貯水池上下流を含む当該水域における炭素循環に関する科学的知見の獲得及び科学的測定方法、貯水池からの温室効果ガス排出量に関する公正中立な評価手法を検討する。

② Task-2: 水力発電と環境

Annex-3 (水力発電の環境・社会的側面)の成果として作成された「水力発電と環境:現状と将来行動のためのガイドライン」を、その後の社会情勢の変化・地球温暖化問題などの新たな課題を加えて改定版を作成する.


≪成果報告書≫

☆IEA技術報告書「改訂版 水力発電と環境のための勧告」(2010年10月、英文、和文) リンク PDFダウンロード
★Hydro 2009におけるワークショップ「貯水池における炭素循環」の開催    

第4期 (2010~2014年)

Annex-2:小水力発電(日本、ノルウェー、アメリカ(カナダ))

本Annexは、第1期から継続しているもので、日本(新エネルギー財団)、ノルウェー(水資源・エネルギー庁)、アメリカ(Oak Ridge国立研究所)により以下の各テーマについて活動が実施されている。なお、日本は、2011年度は参加していないものの2012年度からSubtask-A5について中心となって活動を実施している。

Subtask-A1:ウェブサイトの充実

小水力発電に関する情報発信ウェブサイト「Small Hydro -International Gateway-」(http://www.small-hydro.com/)を構築し、Annex-2の活動成果の発信等を行う。

Subtask-A3:政策と経験

Subtask-A4:定期的なワークショップの開催

Subtask-A5:地域社会における持続可能な小水力発電

本subtaskは今後の小水力発電の開発促進を目的とし、各国の経済波及効果や地域社会・環境への間接的便益が顕著な好事例を収集・分析し、持続可能な小水力発電の推進への反映を図るものであり、各国の小水力発電に関する概要調査や小水力発電の好事例収集、分析・評価を行っている。

Subtask-B2:革新的技術

小水力発電に係る革新的技術情報を収集し、広く情報発信することで新技術の導入を図るものであり、ウェブサイト「Small Hydro -International Gateway-」で公開している。

Subtask-B5:コンピュータ・ソフトの開発と水平展開

Annex-9:水力発電の多様な価値(ノルウェー、アメリカ)

本Annexは、第4期から継続しているものであり、OA(活動リーダー)は、ノルウェーが務めている。Annexの活動目的・目標は以下の通りである。

水力発電は、再生可能エネルギーである電力を生み出すとともに、他の再生可能エネルギー(風力、太陽光等)起源電力の不安定性に対する効率的な調整機能を有している。さらに、水力発電の貯水池は、流水管理、水域環境保全、舟運、灌漑、発電立地地域の開発など様々な価値も生みだしている。これらの価値を公正に認識・評価するために、世界各地から様々な事例を収集・分析し、広く情報の発信を図る。

Annex-11:水力発電設備の更新と増強(日本、ノルウェー、アメリカ、オーストラリア)

本Annexは、第4期から新たに開始されたもので、日本(新エネルギー財団)、ノルウェー(水資源・エネルギー庁)、アメリカ(Oak Ridge国立研究所)、オーストラリア(Hydro Tasmania社)が参加し、OA(活動リーダー)は日本が務めている。

水力先進国ではこれまで50年以上運転している数多くの既設水力発電所が、更新または増強の時期を迎えようとしている。また近年、低炭素社会において増加が予想される風力や太陽光発電などの不安定な発電に対する即応性から、水力発電のアンシラリー価値が注目を集めつつある。

このような状況と新規水力発電計画の減少のため、水力発電事業者は、既設発電設備の更新と増強に関する最新技術の集積と、その技術の習得が必要になってきている。

このため、関係する好事例を世界規模で集積し、その実施経過を分析して、水力発電事業者、E/Mメーカーや専門コンサルタント等に有用な情報を提供することとし、これにより、水力発電の関係者が、必要な機能、経済性、技術、環境や社会に対する影響等に充分な考慮を払いながら、既設水力発電設備の更新や増強に関する適切な判断を必要な時期に下せるようにしようとするものである。

本Annexでは収集した国内16事業者からの45事例および海外9ヵ国から25事例についてキーポイント毎の詳細な分析を行い、高経年化する水力発電設備の経済的な価値を高めるとともに、効率性や環境順応性、安全性を高めるための合理的な更新・増強の方法を、体系的にまとめている。報告書は2部構成となっており、Volume 1では活動の方法論や事例収集結果及び分析結果を示しており、Volume 2では詳細検討の対象となった70事例を整理して掲載している。

≪成果報告書≫


Annex-12:水力発電と環境(ブラジル、フィンランド、日本、ノルウェー、アメリカ)

本Annexは、第3期から継続しているものであり、ブラジル(鉱物・エネルギー省)、フィンランド(Kemijoki Oy社)、日本(新エネルギー財団)、ノルウェー(水資源・エネルギー庁)、アメリカ(Oak Ridge国立研究所)が参加し、ブラジルがOA(活動リーダー)を務めた。第3期から引き続き、以下のテーマに関して活動を行った。

(Task-1:貯水池における炭素収支の管理):ダム貯水池における温室効果ガスの吸収・発散に関する関心が高まる中で、上下流を含む当該水域における炭素循環に関する科学的知見の獲得及び科学的測定方法に関するガイドラインを策定する。

≪成果報告書≫

☆IEA技術報告書「貯水池からの正味の温室効果ガスの放出量評価法に関する手引き:第1巻-計測計画とデータの解析」(2012 年 10 月、英文、和文) PDFダウンロード
※本手引きは、貯水池からの正味の温室効果ガス(GHG)放出の定量評価を行うための基本的な考え方を示すものであり、第1巻として、GHG放出量の計測計画とデータの評価において必要と考えられる条件と手順を提案している。
この問題については、国連教育科学文化機関(UNESCO)と国際水力協会(International Hydropower Association: IHA)が、共同研究の成果として、貯水池から放出されるGHGの測定方法や計算結果の処理方法等を示す技術マニュアルを2010年に発行している。その後も様々な機関によって科学的不確実性を解明するための調査研究が行われており、IEAの本手引きは、そうした最新の知見も取り入れて作成されたものである。

Annex-13:水力発電と魚(オーストラリア、フィンランド、ノルウェー、フランス)

本Annexは、第4期(2014年)から新たに開始されたものであり、OA(執行責任者)はノルウェーが務めている。Annexの活動目的・目標は以下のとおりである。

魚と水力発電の関係は、長年にわたり広範囲の研究課題となっているが、最近の研究は魚種が限られており、地球レベルでの成果の適用を正当化することは難しい。水力開発は今後も世界中で進められることから、IEA水力を通じた国際協力プログラムとしてこれを扱うことは検討に値する。魚問題は、新規の水力開発は勿論のこと、既設発電所の許認可や運転管理にとっても極めて重要な問題であり、また、経済性にも大きな影響を及ぼす。

このページのトップへ
Adobe Reader ダウンロード PDFファイルをご覧になるためには Adobe Readerが必要です
Adobe Readerダウンロードページ