ヴァーサタイルデザインプロトコルによる
太陽電池工作物の設計・導入

【受賞のポイント】
太陽光発電システム設置予定地の周囲の状況、直射光、散乱光、気象条件等をコンピュータで解析し、発電量の算定、太陽光工作物の寸法・形状の決定等を行う新しい太陽光発電の計画・設計・評価手法です。この手法による太陽光発電の設置は、公園標識・道路標識等に導入され、その有効性が示されています。太陽光発電の設置場所の拡大とより有効な太陽電池の形状、設置方法等の提示によりその導入拡大に資する点が評価されました。


機器・システム等の概要、特長

導入地点での固有日照環境に基づき、発電量を算定する「ヴァーサタイルデザインプロトコル」を発明・開発し、国営昭和記念公園を始めとする防災デザインや照明灯を設計、その導入を実現しました。
導入地点での摂取可能日射量・発電量の算定
 
導入地点での空の魚眼レンズ撮影像に、太陽の運行軌道像(CG像)を重ね、直達日射受光条件を測定します。
蜘蛛の巣状のメッシュを重ねて、空に開いているメッシュ数を読み取り、空の散乱日射受光条件を測定します。
地域気象データと上記受光条件から、直達日射受光量、散乱日射受光量とそれに基づく発電量を算定します。
気象データを用いることで、現地測定日が何時かを問わず、年間を通じた発電量の算定が可能となります。
国営昭和記念公園防災サイン導入例
デザイン任意性が高い設計
 
導入事例にある国営昭和記念公園のサインは、ヴァーサタイルデザインプロトコルで設計した結果、太陽電池の向きを互い違いに配置し、発電量の合計値が、設置方位に依存しなくなるような形状が採用されています。
ビル街・住宅地での最適設計
 
ヴァーサタイルデザインプロトコルは、日照障害物の影響を定量評価した形状、システム設計を可能とし、日照障害物の多い都市型環境や中・大形規模の複雑な形状の太陽電池構造物の設計・導入に威力を発揮します。

新エネルギー財団会長賞 導入事例の部
池田 貴昭
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