山形市浄化センターの汚泥処理過程で発生した消化ガスを燃料とした100kW2台のりん酸形燃料電池システム。燃料電池の排熱を消化槽のプロセス加温熱源として利用するシステムは国内初です。環境負荷が低く稼働率が高く同種システムの導入拡大に寄与することが期待されます。

 

環境に配慮したコージェネレーションシステム
 カーボンニュートラルかつ再生可能な資源であるバイオマスは、地球温暖化防止、循環型社会の形成、新規産業の創生などの観点からその利用を推進していく事が求められています。バイオマスのうち、下水汚泥の嫌気性発酵により発生する消化ガスの有効利用が注目されているなか、山形市が策定した「新環境計画」を基に消化ガスに適用したりん酸形燃料電池を導入し電気と熱エネルギーを場内設備に利用しています。


システムの概要
導入機器
・100kWりん酸形燃料電池×2台
・熱回収ユニット×1式
・脱硫塔×1基
・汚泥熱交換器×4基
・高圧・制御盤×1式
能力
・発電量:100kW×2台
・発熱量:117.1kW×2台
・発電効率:38%
・熱効率:49%
・総合効率:87%

システムフロー
システムの特徴
 消化ガス発電はエンジンを利用したものとして多数の実例はあります。更に燃料電池においては数例の実績がありますが、下水処理のプロセスにおける加温熱源として利用したものとしては国内初のプラントです。燃料電池は発電の際に回転、燃焼を伴わないため、クリーンな設備であり、従来型の発電設備と比較して高効率を実現できます。消化ガスを燃料として燃料電池で1年間(8,600時間)200kWで発電(1,720MWh)した場合の環境効果は右記のとおりです。
 

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