本導入設備は、滝上地熱発電所(27,500kW)からの未利用還元熱水を利用した地熱バイナリー発電所(5,050kW)である。 バイナリー発電の技術課題として、シリカスケール付着や貯留層冷却の問題などを解決し、現状、順調に稼働している。今後の地熱発電の導入拡大が期待できる取組みとして高く評価された。 本導入設備は、滝上地熱発電所(27,500kW)からそのままの状態で地下に戻されていた未利用還元熱水を熱源として利用した地熱バイナリー発電所(5,050kW)である。 設備の導入に当たっては、130℃の高温還元熱水から更に熱を回収することによる新たなシリカスケールの発生と、還元熱水回帰による貯留層冷却化に問題がないことをトレーサ試験等の事前検討で確認している。また、その他の技術的な工夫としては、使用媒体に不燃物(新代替フロン)を使用し大型消火設備の設置を不要としたことや、過熱器を設置し出力安定化とタービン翼のエロージョン発生を抑制した。 運転状況としては、2017年3月から8ケ月であるが、順調に稼働(設備利用率平均80%)している。また、鹿児島県山川発電所でも同様の未活用エネルギーを回収する地熱バイナリー発電システムの導入が進められており、国策である地熱発電容量の拡大に貢献するものと思われる。
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