本事業は、清掃工場の発電設備で生じた余剰電力を地域の新電力を介して庁舎、学校施設等の市所有施設(279施設)に供給する電力の地産地消事業である。
廃棄物発電からの余剰電力を自治体自ら活用するとともに小中学校には蓄電池を設置し、電力需給を平準化、非常用電源としても活用が可能としている。また、卒FIT電源を買取り、市所有施設に供給する取組みも行っており、全国自治体への広がりが期待できるとして評価された。
本事業では、市有清掃工場内の廃棄物発電設備で生じた余剰電力(FIT電気および非FIT電気)を自治体自らが活用する電力の地産地消の実現と共に、災害時の避難所として指定された市内の小中学校80地点に蓄電池(10kW/10kWh)を導入して、地域のレジリエンス向上に加えて、児童生徒の環境教育の推進にも貢献している。
また、CO2フリーの電源である廃棄物発電設備の余剰電力の活用により、市の事務事業から排出される温室効果ガスを7.8%削減。また、蓄電池を遠隔制御することで、電力のピークシフト・ピークカットを行っている。
さらに、昨秋からはFIT買取期間満了を迎えた市民が保有する太陽光発電設備から余剰電力を買取り、市有施設に供給することにより、更なる地産地消を推進すると共に、市民の市政参画の機運を醸成している。
なお、本事業は市が推進する『エネルギー地産地消事業』の業務を、民間事業者に業務委託というスキームの特異性と、受託した民間企業による設備投資を電力供給の利益で補い自治体の予算措置を必要としないことが特徴である。
この他にも、補助金に寄らない全国初の実事業であること、自治体が自ら保有するリソースを活用することで新たな設備等所有しないこと等の理由から、再現性が高い事業モデルである。
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