本製品は、ソーダ業界や石油化学業界等で発生した副生水素を燃料とした日本で初めての水素(100%)専焼が可能な貫流ボイラ(圧力0.98MPa、蒸発量2000kg/h、水素使用料451.8m3N/h)である。
水素を安全に取り扱うために逆火防止器や窒素パージなどの対策を行っている。また、水素燃焼特性に対応した水素燃焼バーナの開発や水素量の変動に対して追従させる制御技術を開発している。将来的にはCO2フリー水素の利用が期待できるものとして評価された。
水素は燃焼時の生成物が水のみであることから、CO2排出ゼロのクリーンエネルギーとして注目されている。水素は様々な1次エネルギーから製造することが可能であり、特にソーダ業界や石油化学業界では製品製造における副生ガスとして水素が発生する。これらの副生水素をボイラ燃料に利用することで、既存燃料(化石燃料)の使用量を削減することが可能となり、合わせてCO2排出量も大幅に削減できる。また、将来的には再生可能エネルギーから作るCO2フリーな水素の利用などが増えると予測され、脱炭素時代の熱源として水素燃料ボイラの需要は高まってくると考えられる。広く熱源として利用されている貫流ボイラにおいて、CO2排出をゼロにすることが可能な本製品は脱炭素を目指す水素社会の実現に貢献できる。
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