本事業は、下水汚泥、し尿・浄化槽汚泥及び生ごみの複合バイオマスを下水処理場に集約してエネルギーとして利活用する施設(豊橋市バイオマス利活用センター)をPFI手法により整備・運営する事業である。
バイオガスによるガス発電(1,000kW)とメタン発酵槽に残った発酵後汚泥による炭化燃料化で複合バイオマスを100%エネルギー化することで、CO2削減やエネルギーの地産地消を図っている。下水道事業とごみ処理を行う環境事業が連携し、民間事業者が参入する事業形態をとっており、他の自治体への展開が期待できるものとして高く評価された。
本事業は、持続可能な地域バイオマスを市民・行政・民間が一体となりエネルギーに変える新しい取組みと環境に対する新しい時代への先駆けとなる事業である。
豊橋市バイオマス利活用センターでは、複合バイオマスをメタン発酵槽に投入して、約35℃で20日間発酵させることによりバイオガスを生成している。生成されたバイオガスは、発電機に供給して電気をつくり、FIT制度を活用して電気事業者に売電している。メタン発酵槽から排出される発酵後汚泥は、炭化燃料にして民間企業に売却し、発電やボイラーの石炭代替燃料にしている。
本事業の特長は、38万市民の生ごみ分別により施設の能力が発揮される「市民協創の施設」であり、ごみから資源へ新たな価値を創造する「イノベーション」を起こし、同様の施設としては「国内最大規模」であり、スケールメリットを活かし、より効率的なエネルギー資源の循環を図っている。
本事業の効果は、バイオガス発電と炭化燃料化で「複合バイオマスを100%エネルギー化」を行い、バイオマスの利活用により市全体で約14,000t-CO2/年(杉の木約100万本分)の温室効果ガスの削減で「地球温暖化防止対策」となり、PFIの導入などにより市全体で20年間で約120億円の「財政負担の軽減」を図っている。
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