市が風力発電事業(600kW×2台)に出資、地元の企業等が出資する市民電力により電気を販売、風車のメンテナンスを地元企業が対応するなど地元企業が一体となった地産地消の取組みである。
島に賦存する風力エネルギーを活用、風力発電事業を起点として民間企業の創出や新たな経済効果を生んでいる、特に風車のメンテナンス事業を島外での営業活動に繋げるなど新たな雇用を創出していることが評価された。また、今後予定されている洋上風力との連携を期待したい。
地元五島市が51%出資する第三セクターで風力発電事業を営む「五島風力発電(株)」、地元建設業から事業転換し、全国で風車メンテナンス事業を展開する「(有)イー・ウィンド」、地元五島市の52の企業、団体、個人が出資、島の再生可能エネルギーで生み出された電気を販売する「五島市民電力(株)」、これらの地元企業が一体となって、エネルギーの地産地消の仕組みを構築し、様々な地域課題の解決に取り組んでいるのが「五島モデル」である。
五島風力発電(株)は、五島の「風」をお金に換え、地元に資金を生み出すとともに、O&M全般を地元企業に委託することで資金の循環、雇用の創出の根幹となる役割を担う。また、耐用年数を過ぎた風車はO&Mの教育訓練の場として活用、地元企業の異業種からの新規参入、全国展開の足掛かりとなる。
(有)イー・ウィンドは、地元風車のメンテナンスを一手に引き受け、多くの雇用を生み出すとともに、全国に事業を展開することで外貨を島内にもたらす。浮体式洋上風力発電の五島市沖への誘致においても大きな役割を担う。
五島市民電力(株)は、様々な地域課題の解決のために地元企業が電気を販売する「取次店方式」の仕組みを構築。今後、市場の縮小が予想される既存業種(ガソリンスタンドなど)に新たな商材として電力販売を提供する。なお、電力小売事業で得た利益は、「持続可能な地域づくり」を目的とした様々なプロジェクトを通して地元に還元。電気代の低廉化に取り組む一方、島の再生可能エネルギーで発電した「ごとうの電気」を100%使って製造される地元特産品のブランド化など、地元食品製造業などとともに、商品の差別化、販路拡大等にも取り組む。
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