新エネ大賞-New Energy Award-

新エネルギー財団会長賞【分散型新エネルギー先進モデル部門】「再エネの最大導入、最大活用」を目的とした熱と電気のネットワーク(鹿追町、パシフィックコンサルタンツ(株)、アルス・ゼータ(有)、伊藤組土建(株))

受賞のポイント

本システムは、町役場や病院などの災害発生時において求められる「BCP(災害などの緊急事態における企業や団体の事業継続計画)対応システム(太陽光発電、蓄電池)」と、福祉施設や温水プールといったエネルギー消費量が大きい公共施設をまとめた「電気・熱活用システム(太陽光発電、地中熱)」の2つのシステムから構成され、それぞれを自営線でネットワーク接続し、エネルギー需給制御システムによって管理される。

太陽光発電設備設置に際しては遊休地を有効利用するとともに自営線を設置し、需要側も含めた地域エネルギー供給システムを実現しており、先進的なモデルとして評価された。また、需要地が火力発電所などから離れた過疎地が多い地域での普及が期待できる。

分散型新エネルギー先進モデルの概要

本事業においては、再エネの導入拡大を目指し、長年課題となっていた役場庁舎近くの未利用遊休地に440kW規模の太陽光発電所を設置することとしたが、系統制約地域であるため自家発自家利用させる必要があった。そこで、個別受電されていた公共施設9施設(7受電)を一括受電とすることで受電規模を759kW(エネルギー棟を含む)と大きくし、発電した電力を受け入れられるように拡大させることで実現した。

一括受電の対象施設は役場庁舎、病院、小学校、町民ホール、福祉施設、プール、こども園、美術館などがあり、自営線(こう長約3㎞)で各施設、太陽光発電設備を接続している。

運用面では、太陽光発電による発電量を最大限活用するため、余剰発電電力を270kWhの蓄電池に蓄えるとともに、蓄熱槽内の設定温度を変化させ地中熱HP(ボアホール18本)を的確に動かすことで、熱としても蓄えられるシステムとした。これらのシステムは、災害時のエネルギー需要に利用可能となる。

本町は平成19年から家畜糞尿によるバイオガス発電に取り組み、現在は町内に2か所の集中型プラントがある。さらに、規模拡大による飼養頭数の増加等から3か所目の設置を検討しており、FIT売電終了後に既存バイオガス発電、本事業で設置した太陽光発電を含め新たに構築する再エネ電源の町内利用を図るため町が出資する地域エネルギー会社設立を視野に入れている。

なお、本システムは、一括受電と一部電化した熱システムをCEMSにより効率化を図っており、温暖化対策とともに行政コスト削減を両立させることに繋がっている。公共施設が集約された施設配置は、中小の地方公共団体では多く見られ、本町にて構築したシステムあるいはシステムの考え方が他自治体への波及につながることを願っている。

「再エネの最大導入、最大活用」を目的とした熱と電気のネットワーク

【連絡先】

  • 鹿追町役場 企画課
    北海道河東郡鹿追町東町1丁目15番地1
    TEL 0156-66-4032 FAX 0156-66-1020

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