本システムは、従来エネルギー消費型であった下水処理施設を国内で初めて創エネルギー型の施設へ転換できる技術を確立し市場に導入したもの。一般廃棄物焼却炉で導入されている階段炉焼却システムと廃熱ボイラ、発電機および乾燥機による廃熱利用システムの組み合わせによって、一例として処理量100t/日の場合、47,278GJ/年(消費電力+補助燃料)のエネルギー消費型施設から、389GJ/年(発電電力-消費電力)の創エネ型施設へと、エネルギー消費量を大幅に低減し、補助燃料として使用していた化石燃料が不要となる技術を開発したものであり、これまでに国内で導入実績を有している。
バイオマス資源としてポテンシャルが高いもののエネルギー利用率の低い下水汚泥に着目し、今後、全国自治体の所有する汚泥処理施設の更新に合わせて、導入することで経済性とCO2削減量の面で高く評価するものである。
下水汚泥は衛生処理の観点から多くが焼却処理されています。下水汚泥の脱水汚泥は通常水分を75%以上含んでおり自燃しないため、流動床炉により熱媒体である砂と汚泥を高温空気で激しく混合攪拌しながら、補助燃料を投入して焼却が行われています。
当社では、従来エネルギー消費型であった下水汚泥焼却処理に対し、化石燃料を使用せず、下水汚泥の持つエネルギーで発電を行い、一定規模以上では消費電力以上の発電電力を得てエネルギーを創出することができる、階段炉下水汚泥焼却発電システムを開発しました。
本システムは①階段炉、②廃熱ボイラ、③蒸気発電機、④乾燥機で構成され、下記の特長を有しています。
本システムを導入した施設では、発電を行うことで消費電力の多くを賄い、炉の立上下時以外は補助燃料を使用せずに焼却処理を行っています。本システムの普及促進により、下水汚泥の焼却処理を、エネルギーを投入する従来の方式から、下水汚泥のバイオマスエネルギーを活用してエネルギーを創出できる方式へと転換し、脱炭素社会の構築に貢献します。
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