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インバランス料金制度の見直し(その1)
―変遷するインバランス料金制度―

インバランス料金制度については、我が国で電気の小売部分自由化が開始された2000年以降、現在まで種々の変遷をたどっている。

当初は、電力会社の需給調整費用が基本であり、卸電力市場の市場決済価格等は反映されていなかった。新規事業者が30分単位で同時同量を達成できず、供給電力に不足が生じた場合、電力会社(系統運用部門)が電力を補給するが、その代償、ペナルティーとしてインバランス料金を支払っていた。具体的には発電実績と需要実績との差分が対象となり、例えば、不足量が3%を以内(変動範囲内発電料金)であれば比較的安い料金で済むが、3%を超過すると「変動範囲外発電料金」として高額な料金(変動範囲内の3倍から4倍程度、季節にもよるが30~50円/kWh程度)を支払わなければならないこととなっていた。逆に、余ってしまった電力については、3%以内であれば一定価格で買い取ってくれるが、3%を超過すると無料引き取りとなっていた。規模の小さい新電力にとっては、高額なインバランス料金は死活問題となることなどからインバランス料金の価格水準や透明性を巡る問題が常に議論の的になってきた。

その後、電気の小売全面自由化に向けて、2016年4月からは、発電(発電事業者)と需要(小売電気事業者)のそれぞれの計画値と実績の差をインバランスとして精算する「30分計画時同時同量」方式とし、インバランス料金については市場価格連動型の算定方法を導入した。2019年4月には、この制度に問題があることがわかりインバランス料金を予見しにくくするように人為的な調整項(K・L)を追加した。また、2020年6月には、系統余剰時に問題があることがわかり、調整項(α)の見直しを実施している。

インバランス料金の改正(2020年6月1日 経済産業省ニュースリリースより)

  • 不足インバランス料金=スポット市場と1時間前市場の加重平均値×α+β+K
  • 余剰インバランス料金=スポット市場と1時間前市場の加重平均値×α+β-L
  • α:系統全体の需給状況に応じた調整項(系統余剰時α>1又は系統不足時α<1の場合、α=1とする)
  • β:地域ごとの市場価格差を反映する調整項
  • K・L:インセンティブ定数(経済産業大臣が定める額)

今後は、2021年開設予定の需給調整市場において調達した電力の費用をインバランス料金に反映することを含めて抜本的に見直しを行い、2022年度から新インバランス料金制度による実施を予定している。

以上の通りインバランス制度については、電力自由化や需給調整市場などの市場環境の変化に伴い変遷をたどっている最中であり、現状のインバランス制度は、今後の需給調整市場立ち上げまでの過渡的な措置とも言える。

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