新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-

分散型エネルギーシステムと地域活性化(その3)
(おひさま進歩エネルギー(株)、以下「おひさま」紹介)

前回、「おひさま」に勤務する谷口彰さんの仕事を紹介、今回は「おひさま」会社概要をレポートします。

「おひさま」の沿革は次の通りです。

  • 2004年12月環境省に選定された飯田市の事業を担う民間企業として、「NPO法人南信州おひさま進歩」が母体となり、「おひさま進歩エネルギー有限会社」設立。
  • 2005年5月「南信州おひさまファンド」募集し、太陽光の市民出資ファンドが初めて立ちあがる。

その後も公的機関や民間から数々の受賞をされるなど順調な発展を遂げています。

事業分野として、1)創エネルギー事業 2)省エネルギー事業 3)蓄エネルギー事業 4)コンサルティング 5)環境学習 6)その他 などがあります。特に、創エネルギー事業は市民出資による市民共同発電所を設置、分散型メガソーラー事業。森林資源を活用したペレット・チップ・薪など木質燃料の利用推進、小水力事業も、と積極的な取り組みです。先に紹介の書籍にある通り、メーカーでも施工業者でも、投資運用者でもなく、市民出資を原資に「発注者」として資産を持ち、発電・発熱エネルギーを「販売」、省エネという「サービス」も提供するというユニークな事業展開です。更に、10年後の2030年には「地域の電力50%を再エネで賄う」という大胆な事業計画も描いています。

一方、2018年8月に公表された「新体制移行と今後の事業展開について」と題する文書が公表、「おひさま」前代表取締役の退任、不適切な資金移動の確認(その後資金移動は解消)、新体制の発足などが記載されています。社業発展途上で事業の展開点に差し掛かった印象もあります。更に、昨年8月には従来、市民ファンドを生成してきた「おひさまエネルギーファンド(株)」(「おひさま」の関連会社)が新規ファンド募集取り扱い業務を廃止、今後は他の第二種金融商品取引業者に募集業務をするとの広報も掲載されました。

エネルギーの地産地消に先駆的に取り組んできた「おひさま」が従来の事業展開を見直し、更なる発展拡大を目指していくことを期待します。

【ご参考】

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