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福島県浪江町での再エネ利用による世界最大級の水素製造施設「FH2R」について

福島県浪江町に再生可能エネルギーを利用した世界最大級の水素製造施設「FH2R」が2018年7月から国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証事業として、建設を進め、2020年2月に稼働を始めた「福島水素エネルギー研究フィールド」施設がある。

この施設では、NEDO、東芝エネルギーシステムズ㈱、東北電力㈱、岩谷産業㈱などが共同で、再生可能エネルギーの導入拡大を見据え、電力系統の需給バランス調整(ディマンドリスポンス)のための水素活用事業モデルと水素販売事業モデルを確立させることで、新たな付加価値を有する大規模水素エネルギーシステムの開発・実用化を目指す。

また、市場における水素需要を予測する水素需要予測システムと電力系統の需給バランスを監視制御する電力系統側制御システムからの情報を基に、水素エネルギー運用システムが水素製造装置等を含めた最適運用を行うことで、再生可能エネルギーの利用拡大を実現するための技術開発に取り組んでいる。

なお、FH2Rで製造した水素は、水素貯蔵設備に貯蔵され、圧縮水素トレーラーやカードルを使って県内外の需要先へ供給している。

施設の概要は

  • 太陽光発電設備: 20MW(敷地面積:18万㎡)
  • 水素製造設備:10MW(水の電気分解を行います)
  • 水素製造量:1,200N㎥/時(定格運転時)、最大で2,000N㎥/時

福島水素エネルギー研究フィールド施設は、クリーンで低コストな水素製造技術確立やカーボンニュートラル社会実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大とCO2の削減を実現するための技術として期待される。

水素圧縮・供給施設
水素圧縮・供給施設
水素をためるガスホルダー
水素をためるガスホルダー
圧縮水素トレーラー
圧縮水素トレーラー
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