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発電側基本料金について(その3)
―系統接続時の初期負担額との関連―

発電事業者が負担すべき系統コストについては、系統接続時の初期負担と系統接続後の発電側基本料金のセットで見直すことが適当とされている。系統コストは共通利用が多い範囲については「一般負担」として需要家の支払う電気料金で回収している。また、共通利用の少ない範囲については「特定負担」として、系統接続時の工事費負担金として発電事業者が負担している。

この系統接続時の初期負担額については、第3回再エネ大量導入・次世代電力NW小委員会2018.5.15にて見直され、既に運用されている。具体的には発電側基本料金によって費用回収ができることを前提として、一般負担の上限を引き上げており、これにより再エネ接続時の系統工事費用における一般負担の割合が増え、発電電事業者が支払う特定負担分が軽減されることとなる。つまり、発電事業者としては、系統に係る初期投資が軽減される反面、稼働後に毎年「発電側基本料金」が課されることとなる。

実際に、東北北部エリアの募集プロセスでは、総額約1500億円の系統増強費用の内、再エネ事業者が負担する約700億円が、一般負担上限見直しにより、全額一般負担となることが見込まれており、再エネ事業者の初期負担は大幅に軽減されている。

第3回再エネ大量導入・次世代電力NW小委員会2018.5.15 配布資料より抜粋

第3回再エネ大量導入・次世代電力NW小委員会2018.5.15配布資料

なお、FIT買取期間中の電源についての発電側基本料金については、追加コストとして転嫁することが制度上困難なため、FIT電気事業者と小売電気事業者の間で発電側基本料金の転嫁について適切な協議を行うべきとの提案がなされている。具体的には、発電側基本料金の創設(2023年度導入)と並行して、小売電気事業者の相対契約見直しが行われガイドラインとして整備されるものと想定される。

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