新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-

海外の再エネ事情(2019 概要 その2)

2020年6月にREN21が発表した”Renewables 2020 Global Status Report”では、世界の再生可能エネルギーの導入状況をまとめています。2019年に新規に導入された発電設備(200GW)のうち57%は太陽光発電(115GW)、次いで風力発電(60GW,30%)、水力発電(16GW,8%)、残りの5%は、バイオマス発電、地熱発電、集光型太陽熱発電(CSP)となっています。累積容量(2,588GW)全体でみると、水力発電が58%、風力発電が22%、太陽光発電が10%、バイオマス発電が8%となっています。

太陽光発電は、住宅用、産業用を問わず様々な場所で競争力をもつ発電手段となったため、需要が大きくなっています。2019年には18か国で1GW以上の太陽光発電設備を導入しています。2019年末には、累積設備容量が1GW以上所有する国が39か国となり、世界の設備容量は627GWになりました。累積設備容量の上位5か国は、中国、アメリカ、日本、ドイツ、インドであり、人口に対する設備容量では、ドイツ、オーストラリア、日本が上位となっています。

2019年に風力発電の設備容量は前年比10%増の651GWとなり、そのうち洋上風力発電が30GWとなっています。2019年に55か国以上で新規のウィンドファームが稼働を開始しており、2019年末時点で商業用風力発電を所有する国は102か国となっています。風力発電が電力需要の中で大きな割合を占める国も増えており、デンマークでは57%、アイルランドでは32%、ウルグアイでは29.5%、ポルトガルでは26.4%となっています。

2019年の水力発電の新規発電容量は15.6GWで、世界の設備容量を1,150GWに引き上げました。発電電力量は2.3%増加し、4,306TWhになりました。発電容量の増加に貢献した上位5か国は、ブラジル、中国、ラオス、ブータン、タジキスタンです。

2019年にバイオマス発電の設備容量は前年比6%増の約139GWとなりました。最大の設備容量を誇るのは中国で、次いでブラジル、インド、ドイツ、英国、スウェーデン、日本となっています。発電電力量は前年比9%増の約591TWhとなっています。

地熱発電の新規発電容量は0.7GWで、世界の合計は13.9GWとなりました。2018年同様、新規発電容量を推進したのは、トルコとインドネシア、ケニアであり、この3か国で3/4を占めています。

集光型太陽熱発電(CSP)はフランス、クウェート、中国、南アフリカなどにも拡大し、設備容量は2019年に6.2GWに達しました。2018年から2019年にかけて、CSPは太陽光発電や風力発電と共に建設されることが多くなっており、エネルギーコストが低減されてきています。設置容量の上位5か国は、スペイン、アメリカ、モロッコ、南アフリカ、中国となっています。

【参考】

  • ・Renewable 2020 Global Status Report, REN21
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