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海外の再エネ事情
(2020 概要 その1)

2021年6月にREN21が発表した”Renewables 2021 Global Status Report”によると、2020年の再生可能エネルギー発電設備の新規設置容量は256GWで、世界の総容量は2,839GWとなりました。新規設置容量を国別にみると、中国がトップで140 GW、アメリカ 36 GW、ベトナム11GWとなっています。累積容量では中国が908 GW、アメリカ 313 GW、ブラジル150GW、インド142GWとドイツ132GWです。再生可能エネルギーによる10GW以上の発電所を所有する国は2010年の20か国から34か国となり、水力発電を含めない場合は2010年の5か国から19か国に増えています。

世界各国では、発電電力量における再生可能エネルギーの割合も増えています。EU27か国では、風力発電、太陽エネルギー、バイオエネルギーが主な発電資源となり、2020年に総電力に占める割合は38%まで増加していますが、石炭資源の割合は半減しました。英国でも再生可能エネルギーは総電力の42%を占める主要資源となり、化石ガスや石炭の41%を上回っています。アメリカでは、再生可能エネルギーが総電力の20%近くを占めていますが、その半分以上を太陽エネルギーと風力発電が担っています。オーストラリアでは、2020年の発電電力の19%以上が風力発電と太陽エネルギーによるもので、再生可能エネルギー全体では28%を占めています。中国では水力発電、太陽エネルギー、風力発電が総電力の27%以上を供給しました。

全世界の発電電力量に占める変動性再生可能エネルギー(風力発電と太陽エネルギー)の割合は9%に達していますが、国によってはその割合が非常に高くなっています。

デンマークでは、全電力の63%、ウルグアイでは43%、アイルランドは38%、ドイツは33%、ギリシャは32%、スペイン、英国は28%、ポルトガルは27%、オーストラリアは20%です。

少なくとも2つ以上の再生可能エネルギーの技術と/または、エネルギー貯蔵を組み合わせたハイブリッドシステムは、コスト低減と技術的な利便性があり系統に柔軟性をもたせることができます。2020年から2021年初めにかけて、太陽エネルギー、風力発電と/またはエネルギー貯蔵によるハイブリッドプロジェクトの開始が、多くの国で発表されています。インドのグジャラートでは、30GWの太陽―風力プロジェクトが進んでいます。ハイブリッドソーラーサーマル市場は、中国、フランス、ドイツ、ガーナ、オランダで育まれています。

海外の再エネ事情

【参考】

  • ・Renewable 2021 Global Status Report, REN21
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