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海外の再エネ事情(2020年 自治体の取り組み)

2021年3月にREN21が発表した”Renewables in Cities 2021 Global Status Report”では、世界の自治体における再生可能エネルギーの取組みをまとめています。

2020年末までに世界の自治体では、再生可能エネルギーの導入拡大のために種々の施策や導入目標を掲げています。72か国の834の地方自治体が、発電、冷暖房、交通分野のいずれかで、再生可能エネルギーの導入目標を設定しました。再生可能エネルギー比率100%を目標に設定している617の自治体のうち、125の自治体が2020年末までに目標を達成しました。再生可能エネルギーの導入目標は、世界中の自治体で設定されていますが、最も多いのは北米、次に欧州、アジアとなっています。

アメリカ及びカナダでは、少なくとも350の自治体が再生可能エネルギーの導入目標を設定しており、うち47が目標を達成しています。米国で自治体の再生可能エネルギーに対する取り組みが増えたのは、2017年に政府がパリ協定からの離脱を表明した後のことでした。米国における主要な再生可能エネルギー電力源は、カリフォルニア州やテキサス州における大型PVプロジェクト開発事業者とのPPA契約によるものであり、カナダでは、モントリオール、トロント、バンクーバーといった大都市における再生可能エネルギーシェアは、電力セクターだけでなく、冷暖房や交通分野でも増加しています。

欧州では、43か国の10,000以上の自治体が「気候エネルギー首長誓約」に参加し、そのうち6,700以上の自治体が再生可能エネルギーの利用を含めた行動計画を作成しています。

アジアでは、大気汚染への懸念が、再生可能エネルギー技術や電力自動車の導入拡大の推進力となっています。2020年末までに少なくとも51の自治体で再生可能エネルギーの導入目標を設定しており、37の自治体が建築物や交通に関連する再生可能エネルギー政策を導入しています。

サハラ以南のアフリカでは、都市化が進み人口増加によるエネルギー需要が拡大しているため、都市部での再生可能エネルギーの利用機会が増加しています。南アフリカのケープタウンやダーバン、ウガンダのカンパラなどの19の自治体で再生可能エネルギーの利用目標を、34の自治体で関連政策を掲げています。

ラテンアメリカやカリブ海諸国では、交通渋滞、大気汚染、気候変動への懸念により、再生可能エネルギーへの投資が増えています。2020年末までに、再生可能エネルギーに関して39、CO2排出量の削減に関して212の目標が設定されています。コロンビアのボゴタ、ブラジルのクリティバ、エクアドルのキトなどでは、既に再生可能エネルギーによる電力が多く利用されています。

オセアニアでは、太平洋諸島の国々の多くで、化石燃料の輸入への依存から再生可能エネルギーに転換して、エネルギーコストを下げる努力を始めています。2020年末までに、オーストラリアとニュージーランドの114の自治体で気候非常事態宣言は発出し、16の自治体で再生可能エネルギーの導入目標を設定しています。オーストラリアのアデレード、メルボルン、シドニーでは、100%再生可能エネルギー利用目標を掲げています。

中東や北アフリカでは、概して地方自治体による再生可能エネルギーの開発は、経済力不足とエネルギーシステムの中央集権化により、停滞傾向にあります。都市部の再生可能エネルギープロジェクトのいくつかは政府の支援によるものとなっているようです。

【参考】

  • ・Renewables in Cities 2021 Global Status Report, REN21

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