(1)河川法の目的
河川法は、河川について洪水、高潮等による災害の発生が防止され、河川が適正に利用され、流水の正常な機能が維持され、及び河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理することにより、国土の保全と開発に寄与し、もって公共の安全を保持し、かつ、公共の福祉を増進することを目的としています。(第1条)
(2)河川の区域について
河川は管理上の必要から下図に示すように区域が指定され大きくは「河川区域」と「河川保全区域」とに分かれます。
河川区域は、一級河川、二級河川又は準用河川の指定がされた区間に存在し、堤防右岸の法尻~左岸の法尻までをいいます。
河川保全区域は、堤防や河川管理施設を保全するための区域で、原則として河川区域の境界から50メートルを超えてはならないとされています。
(3)水利権について
法23条の「流水の占用の許可」は、一般に水利権と呼ばれており、流水を特定の目的のために、排他的に独占的に、また継続的に占用する権利のことです。これまで、水利使用は、河川管理者の許可によるものとなっていましたが、河川法が改正され、農業用水や水道用水など、既に許可を得ている水を利用して水力発電を行う場合は、許可ではなく、登録に簡素化されました。また、ダムや堰から放流される維持放流量等を利用して新たに減水区間を生じさせることなく発電を行う場合についても、登録に簡素化されています。
(4)発電所を設置する場合の申請について
発電所を設置する場合、法 第23条、第23条の2、第24条、第26条の申請が必要です。ただし、施工計画や設置位置によっては、法 第25条、第27条、第36条、第55条、第57条の申請が加わることになります。
【参考文献】