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近未来の理想の街を作る「新さっぽろエネルギーセンター」について

北海道新さっぽろ駅周辺地区Ⅰ街区は、大和ハウス工業㈱が代表事業者となり、2019年4月から札幌市の「札幌市まちづくり戦略ビジョン」のエネルギービジョンのリーディングプロジェクトとして開発が進められている地域である。

Ⅰ街区は、病院4棟(うち1棟がメディカルテナントビル)、分譲マンション(2023年7月完成予定)、商業施設(2023年11月完成予定)、ホテル(2023年9月完成予定)の7物件で構成され、「新さっぽろエネルギーセンター(北海道ガス㈱)」が街区内のエネルギーの需要・供給の双方をCEMS(地域エネルギーマネジメントシステム)で一括管理(各建物や利用者の様々な情報をリアルタイムでエネルギーセンターと直接連携させるため、情報通信専用線を整備)し街区全体でのエネエネルギーの最適化を図っている。

新さっぽろエネルギーセンターは、天然ガスコージェネレーションシステム(2,500kW)とCEMSを中心とした先進的な分散型エネルギーシステムであり、CEMSを高度活用し、エネルギーセンターの最適自動運転や自動運転改善、デマンドレスポンスを行い、供給・需要側双方の省エネ、低炭素化を実現し、街区全体で35%のCO2削減を見込んでいる。

具体的には、AIを活用し、施設運用計画、気象情報などをもとに、各建物の電力・熱負荷を予測し、予測負荷に基づきエネルギーセンターの熱源システムの最適運転を計画し、実際の需要状況に応じて、エネルギーセンターの運転を自動で再調整している。

更に予測と実績の差異要因を自動で診断し、診断データや予測ノウハウ蓄積により精度をさらに向上させるサイクルを形成している。

また、事前に施設ごとに室内温度を取り決め、需要家の手を煩わすことなく常時快適性の範囲内でエリアごとに室温をコントロールするとともに、各施設(医療・商業・宿泊施設)の不特定多数の利用者に対して、快適性に関するアンケートをリアルタイムで実施し、収集した結果をもとに、CEMSが省エネ性と快適性を両立させながら各建物の空調を自動制御している。

そのほかの特徴として、災害時に必要な電力、熱を街区内の施設に安定供給することで、都市機能の維持、街区周辺を含めた地域の都市機能強靭化に取組んでいる。

更に街区外への送電(逆潮流)可能な天然ガスCGSと蓄熱システムが街区の再生可能エネルギーの発電状況と連携し、再生可能エネルギーを最大限かつ効率的に活用できるシステムとなっている。

新さっぽろ駅周辺地区Ⅰ街区開発プロジェクトにおけるスマートエネルギーネットワークが2023年に完了し、近未来の理想の街ができ、全国各地の先導事例となることを期待しています。

天然ガスエンジン発電機(1,271kW×2台)
天然ガスエンジン発電機(1,271kW×2台)
天然ガスエンジン発電機
天然ガスエンジン発電機
吸収式冷凍機
吸収式冷凍機
新さっぽろ駅周辺地区Ⅰ街区案内板
新さっぽろ駅周辺地区Ⅰ街区案内板
新さっぽろ駅周辺地区Ⅰ街区
新さっぽろ駅周辺地区Ⅰ街区
新さっぽろ駅周辺地区Ⅰ街区
新さっぽろ駅周辺地区Ⅰ街区
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