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2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組(その5)
~北陸電力~

北陸電力は2021年4月に公開した「2019~2022年度北陸電力グループ第一次中期経営計画」の中で、2050年カーボンニュートラルに向けた挑戦について、「再エネ主力電源化をはじめとする電源の脱炭素化、再エネ主力電源化を支える送配電・通信ネットワークの高度化およびRE100対応電気料金メニュー等のお客さま・地域の脱炭素支援を通じ、2050年カーボンニュートラルに向けた取組みを加速する」としている。

具体的な取組み内容については以下の通り。

1.再生可能エネルギー導入拡大に向けた取組み
 再生可能エネルギーの大量導入、電気自動車(EV)・蓄電池の普及拡大を踏まえた、配電高度化ノンファーム型接続・再給電方式への対応

  • (1)配電高度化
     電圧・電流等の計測を可能とするセンサ-開閉器の導入を進め、電力の品質向上および最適な設備形成に取り組んでいく。
    配電高度化
  • (2)ノンファーム型接続・再給電方式
     再生可能エネルギーの大量導入に伴う系統制約の顕在化に対応するため、平常時の混雑回避を目的とした「ノンファーム型接続※1・再給電方式※2」への対応
    ※1 電源を新たに系統へ接続する際、空き容量が足りない状況であっても、出力制御などを条件に接続を認める取組み。
    ※2 予め混雑送電線を特定せず、混雑が発生する(あるいは発生する可能性が高い)と判断した段階で混雑処理を行う。

2.効率的な需給運用への取組み
 引き続き必要な調整力を確保するとともに、効率的な需給運用に取り組んでいく。

  • (1)需給運用の効率化
     需給運用の効率化に向けた取組みとして、2020年3月から中部、関西、北陸の3社で広域需給調整を開始し、2020年度中に全国へ拡大した。エリアを越えて需給調整を行う広域需給調整により、安価な電気を融通し、調整力コストの低減を図ることが可能になった。
     また、2021年4月から一般送配電事業者がエリアを超えて市場から調整力を調達する「需給調整市場」が開設されたのに合わせて、北陸エリアの安定供給に向け、引き続き必要な調整力の確保に努めていくとともに、安価な調整力を調達することで効率的な需給運用に取り組んでいく。

3.脱炭素化への取組み

  • (1)2030年度の再生可能エネルギー発電電力量の増加を目標に掲げ、水力発電電力量の増加や石炭火力発電所におけるバイオマス混焼比率増加等の諸施策を推進し、脱炭素化と経済性を両立する電源構成の構築を目指す。
    脱炭素化への取組み
  • (2)水力発電所の新設や老朽化設備のリプレース、既設設備の改修等による水力発電電力量の増加に取り組み、電源の脱炭素化を推進する。
    脱炭素化への取組み
  • (3)石炭火力発電所におけるバイオマス混焼比率の増加に取り組むとともに、アンモニア・水素等の脱炭素技術の活用に向けた検討を進めていく。
    脱炭素化への取組み
  • (4)再エネ開発目標+20億kWhの達成に向けた開発体制強化のため、2021年5月に「再生可能エネルギー部」を設置し、他のエネルギー企業等とのアライアンスの活用も含め、水力・風力・太陽光等、更なる再エネ開発を加速していく。また、中部電力㈱・㈱OSCFとともに、福井県あわら沖において洋上風力発電事業を検討しており、開発可能性調査を実施中。現在、風況や海底地盤の調査を行っている。北陸エリア内外において風力発電の開発可能性調査を進めていく。
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