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2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組(その7)
~中国電力~

中国電力は、2020年1月に公表したグループ経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」において、2030年度の再エネ導入量を2019年度の約100万kWから130万~170万kWに増強すると表明した。2020年中盤には再エネの新規導入量が約30万kWに達すると見込んでおり、今後は成長分野と期待される洋上風力発電の開発を積極的に進めることで、導入量の更なる上乗せに取り組んでいくとしている。

エネルギアチェンジ2030

風力発電の導入の取組み事例として下記を紹介する。

  • 再エネの発電量の変動調整のために蓄電池を活用する先駆的な取り組みを2015年9月から2019年3月にかけて行った。「隠岐ハイブリッドプロジェクト」と呼ばれるもので、「リチウムイオン電池」と「NAS電池」という特性の異なる2種類の蓄電池を組み合わせ、必要に応じて電気を貯め、放電するシステムを構築した。この取組は新エネルギー財団が主催する「令和元年度新エネ大賞」で資源エネルギー庁長官賞を受賞した。
    https://www.nef.or.jp/award/kako/r01/s_01.html
  • 2019年4月に台湾・雲林県沖における洋上風力発電事業へ出資参画することを表明し、双日(株)、JXTGエネルギー(株)および四国電力(株)と共同出資で洋上風力投資会社である雲林ホールディングス社の株式27%を取得。2021年12月までに64万kWの洋上風力発電所を建設、発電開始し、台湾の再エネ開発法に基づき台湾電力公司に対して20年間固定価格で電力を販売する。

2021年2月に策定した「2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ」においても、再エネを最大限拡大する方針を示している。

中国電力は、これまでエネルギー事業者として再エネの開発を積極的に進めるとともに、大崎クールジェンプロジェクトにおける石炭火力発電所から排出されるCO2分離回収の実証試験、水島発電所でのアンモニア混焼試験など、CO2排出削減に向けた技術の開発・導入に取り組んできた。また、重要課題として「気候変動の緩和」を設定し、地球環境問題への貢献に向け取り組んでいくこととしている。

2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ

なお、中国電力は2022.3.9のプレスリリースで、上記2050年カーボンニュートラルの方針を踏まえ「中国電力グループ環境行動計画」を見直し、下記の環境目標を設定し、2022年度から適用すると発表した。

中国電力グループ環境行動計画
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