これまでは、九州電力だけが実施していた出力制御であるが、2022年度以降は他の大手電力会社でも実施され始め、更に2022年度から比較すると2024年度の見込み量は、4倍以上の出力制御量となるとの見通しである。
ここでは、再エネの出力制御の現状について紹介する。
国のルールでは、電気の発電量がエリアの需要量を上回る場合は、以下の順番で出力を制御することとなっている。
上記の通り再エネがすぐに出力制御されるわけではないが、各電力会社の再エネの出力制御が広がっている状況である。当初(2008~)は、九州電力管内だけで実施されていたが、2022年度以降は他の電力会社でも実施されるようになってきた。2024年度は、東京電力を除く電力会社9社で出力制御が実施される見込みとなっている。
2022年度から2023年度にかけては約3.3倍の増加、2023年度から2024年度にかけては約1.3倍の増加となっている。電力量としては、2024年度の見込み24.2億kWhであり、これは1世帯が1年間で消費する電気使用量の平均を4175kWh(R3年度環境省データより)とした場合、約58万世帯が1年間使用する電気を捨てていることに相当する。特に、九州電力では、毎年高い水準で出力制御を実施しており、2024年は10億kWhの出力制御の見通しとなっており、全国の半分程度の出力制御量となっている。
資源エネルギー庁では、出力制御の抑制に向けた対策パッケージとして以下の対策を講じるとしている。
いずれにせよ、再生可能エネルギーを主力電源にしていくためには、早急に需給両面の対策強化を期待したい。