新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-

水車発電機の軸受

〇水車発電機は数個の軸受けによって支持されている。立軸機・横軸機により軸受の構成は異なるが、回転部(主軸等)と接触する軸受け面には、バビットメタルという合金により焼き付きを起こしにくく、耐摩耗性・耐疲労性を有している。

以下、水車発電機の軸受について説明する。

  • 1.種類
    一般的な軸受の種類としては、「転がり軸受」「滑り軸受」がある。
    水車発電機に使用する軸受けとしては主に「滑り軸受」か採用されている。
  • 2.水力発電所における軸受の分類
    軸受けは、回転部分の自重と水車の推力を支え、また主軸の変位振動などを防ぐもので、「推力軸受(thrust bearing)」と「案内軸受(guide bearing)」とに大別される。
  • 3.横軸機の軸受
    横軸機では回転部分の重量の大部分を支え、軸の中心を定位置に保つための案内軸受けとして円筒軸受が用いられ、砲金製の給油環(オイルリング)を持っている。
    軸方向の水車推力と重量の一部を負担するための推力軸受としては簡単なつば付軸受を用いる。
  • 4.縦軸機の軸受
    立軸機では発電機および水車の回転部の全重量と、水車の推力を支える推力軸受および、軸の横振れを防止する案内軸受が使用される。
    • (A)案内軸受
      案内軸受はバビットメタル(ホワイトメタルとも呼ばれる)の軸受面をもち、軸を伝わって油(潤滑油)が下に流れるのを防ぐための油切りや、メタルを伝わって落ちてくる油をためるための油受けからなっている。
    • (B)推力軸受
      水車および発電機の回転部全重量と、水車ランナに流れる水によって生ずる垂直方向の力、すなわち軸圧力の合計が荷重としてかかるので非常に大きな荷重となり、大容量の発電機では1,000ton以上にも及ぶことがある。
      また、推力軸受の位置により以下のように分類される。
      推力軸受
  • 5.その他
    その他軸受けとして、完全な非接触、無潤滑油で電磁石の吸引力を用いて電気制御により制御する「磁気軸受」や、従来のホワイトメタル軸受に代わる材料として、「樹脂(PTFE系樹脂)軸受」などもある。

【参考文献】

  • ・最新高級電検口座 第11巻 水力発電所(電気書院 1976年4⽉10日 改訂第1版刷発行)
ページトップへ