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地域活用電源

太陽光発電など地域に設置された小規模再生可能エネルギー電源を地産地消電源として地域で活用していこうとする考え方で、2020年度以降のFIT認定要件の一つ。

・近年、地震・台風などによる大規模火力発電所の停止や送配電設備の倒壊などにより、長期間の停電が生じることがありました。また、九州地方の一部など地域によっては太陽光発電の普及が進んで、初夏の地域需給バランスが取りにくい時期には、送配電線の容量不足による接続停止を余儀なくされる太陽光発電が見られます。2018年の北海道胆振地方地震や2019年に我が国に甚大な被害を及ぼした台風15号、19号により停電被害にあった地域のなかには地域の太陽光発電からの受電により停電による影響を小さくすることが出来たとの報告もあります。地域(需要地)における電源の存在が地域電力需給の信頼性を高めて地域社会の安心・安全に繋がったことを示しています。

・2019年12月の基本政策分科会「再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会中間とりまとめ」で、地域と共生した再エネ発電事業の形成が示された他、同年12月の基本政策分科会「持続可能な電力システム構築小委員会中間とりまとめ」で、災害に強い分散型グリッド推進のための環境整備がうたわれています。

・2020年版再生可能エネルギー固定価格制度ガイドブック(資源エネルギー庁)で、2020年度から10-50kwの小規模事業用太陽光発電には自家消費要件(30%以上の自家消費と10kw以上のPCS自立運転機能を具備)を、50kw以上の小規模事業用太陽光発電には地域活用の在り方が検討されることが、FIT認定要件の一つになると説明されています。

・分散型太陽光発電は、一か所で数十~250kw程度の小出力変動電源で工場や多くの住宅用需要を賄うことが難しいため、小規模発電施設や域内にある蓄電設備などの分散りソースを束ねて仲介するアグリゲーターが一定規模の電気に束ねて小売り電気事業者に提供し、また、ある程度需要密度の高い地域では、地域需要設備とも連携したVPPシステムの運用を伴うアグリゲーターの存在など幅広い活用を視野にいれた実証・検討とさらに制度設計が進められています。このような地域活用電源がより効果的に運用されるよう、地域送配電ネットワーク整備の在り方と併せたシステム・制度設計の検討が進められています。

【ご参考】

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