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洋上風力について(その7)
―新たな促進区域に3区域を指定―

洋上風力の案件形成から事業者公募までの流れとしては、都道府県からの情報提供等に基づき「一定の準備段階に進んでいる区域」「有望な区域」を毎年度整理し、協議会の審議結果を踏まえて「促進区域」に指定し、事業者公募が実施される。2022.9.30現在の進捗状況について整理してみた。
(促進区域の指定等の詳細は、https://www.meti.go.jp/press/2022/09/20220930004/20220930004.html 参照)

2022.9.30に新たに3促進区域(長崎県西海市江島沖、秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖、新潟県村上市・胎内市沖)が指定され、すでに指定された5促進区域と合わせて促進区域は合計8区域が指定されている。この内事業者が決定しているのは4促進区域となっており発電出力合計が170.52万kWとなっている。

現状、事業者選定評価を見直し中であり、パブコメ結果を踏まえて「占用公募制度の運用指針」に反映・公募され、残りの4区域について事業者が決定される見通しとなっている。なお、残りの4区域の系統確保容量は、合計217万kW程度とされている。また、有望な区域、一定の準備段階に進んでいる区域についても新たな区域が指定され、有望な区域は5区域(1区域は新規指定)、一定の準備段階に進んでいる区域は11区域(1区域は新規指定)となっている。

洋上風力産業ビジョンでは、2020年度より年間100万kW程度の区域指定を10年継続し、2030年までに1000万kWの案件を形成、2040年までに3000~4500万kWの案件を形成するとしており、現状の案件形成においては、約387万kW程度であり目標値をクリアしていると言える。

なお、洋上風力産業ビジョンでの目標は、上記の通り案件形成に関してであり、国の導入目標(野心的水準)としては2030年570万kWとなっている。現状、2030年までの導入見通しとしては、事業者決定区域で約170万kW、今年公募の上事業者が決定する区域で、2030年までに運転開始が期待できる(リードタイム8年)として約217万kWであり合計387万kWとなる。

今後、国の導入目標(570万kW)達成のためには、リードタイムの短縮化(日本版セントラル方式導入)や出力規模の拡大などの課題が解決されないと相当厳しい目標と言える。

再エネ海域利用法の施行等の状況
(資源エネルギー庁 洋上風力発電関連制度に関するお知らせ2022.9.30 等により作成)
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