平成27年度地熱開発技術者研修会テキストの頒布について(お知らせ)
平成27年6月1日
(一財)新エネルギー財団
平成27年度地熱開発技術者研修会は、昨年度に引き続き、5月21~22日に東京赤坂の三会堂ビル石垣記念ホールにおいて聴講者85名の参加で開催されました。弊財団としましては、地熱開発に対する国民的関心の高まりを背景にして、地熱エネルギー開発に携わる関係者の研修と意見交換・交流の場として一定の役割を果たすことができたと自負しております。

研修会で使用したテキストを、研修会に参加できなかった方のために1部5,000円(送料・税込み)で頒布します。このテキストは、地熱開発に携わる方々に必要な地熱開発技術の基礎知識―地熱エネルギー論、地熱探査技術、資源量評価、地熱井掘削・保安、坑井と発電所の管理、法手続きなど―を各分野の第一線でご活躍の方々の手により纏めたものであります。社内教育を進める上で必ず役立つものと思われます。

なお、残部が少ないため、ご注文をされる方は、お早めにお申し込みください。
以 上
お問い合せ先
一般財団法人 新エネルギー財団
水力地熱本部 地熱部 飯田 幸平
E-Mail k-iida@nef.or.jp
TEL: 03-6810-0366


平成27年地熱開発技術者研修会テキスト目次
1.「地熱開発に向けた国の施策」
  ―資源エネルギー庁資源・燃料部政策課燃料政策企画室長 地熱資源開発官 岡本繁樹氏
1.地熱発電の仕組みと特徴
2.地熱発電の周辺への影響とその対応
3.規制・制度見直しと支援制度
4.地熱開発の地元へのメリット
2.「地熱エネルギー概論」
  ―国立研究開発法人産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所再生可能エネルギー研究センター総括研究主幹 安川香澄氏
1.地熱探査から地熱発電所建設までの流れ
2.火山の熱
(2.1 プレートテクトニクスと火山、2.2 火山の下の熱構造-マグマ溜り-、2.3 火山地域における地熱系の発達)
3.熱水系
(3.1 熱水系とは-熱水系の存在性-、3.2 熱水系の水の起源、3.3 熱水系(地熱系)の分類、3.4 熱水系の定量的な取扱い(熱の流れの定式化))
付録 熱対流の基礎(2次元定常状態における熱と水の流れの定式化)
3.「地熱探査技術(1)-地質調査・地化学調査」
  ―三菱マテリアルテクノ株式会社資源調査部部長補佐 小関武宏氏
1.はじめに
2.地熱発電開発と地熱資源探査
(2.1 予備調査、2.2 地表調査(概査)、2.3 地表調査(精査)、2.4 坑井掘削)
3.地熱資源探査
(3.1 地表調査項目、3.2 総合解析)
4.地質調査
(4.1 リモートセンシング調査、4.2 地質調査、4.3 変質帯調査、4.4 地熱構造解析)
5.地化学調査
(5.1 流体地化学調査、5.2 流体流動モデル)
4.「地熱探査技術(1)-地質調査・地化学調査」
  ―日鉄鉱コンサルタント株式会社企画部長 横井浩一氏
1.地熱資源探査における物理探査
((1.) 探査段階における物理探査の適用、(2.) 貯留層評価段階における物理探査手法の適用、(3.) 地球物理学的モニタリングによる操業後の地熱貯留層管理、(4.) 温泉への環境影響評価のための周辺温泉との関連把握における物理探査)
2.地熱資源探査における各種物理探査手法の紹介
((1.) 1m深地温探査、(2.) 放熱量探査、(3.) 熱流量孔調査、(4.) 重力探査、(5.) 空中重力探査、(6.) 磁気探査、(7.) 電気探査、(8.) 電磁探査、(9.) 空中電磁探査、(10.) 自然電位(SP)法 、(11.) 流体流動電位法、(12.) 弾性波探査、(13.) 微小地震利用探査、(14.) 放射能探査、 (15.) 傾斜計を用いた探査)
3.重力探査
((1.) 重力探査の原理、(2.) 重力探査の測定、(3.) 重力探査のデータ処理、(4.) 重力探査の解析、(5.) 重力探査結果の解釈、(6.) 国内地熱地帯での重力探査例)
4.電磁探査(CSAMT法、MT/AMT法)
((1.) 電磁探査の原理と方法、(2.) MT法電磁探査の測定、(3.) MT法電磁探査のデータ処理、(4.) MT法電磁探査の解析、(5.) MT法電磁探査結果の解釈、(6.) 国内地熱地帯での電磁探査例)
5.まとめ
6.付帯資料
5.「貯留層評価」
  ―国立研究開発法人産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門 石戸経士氏
1.はじめに
2.資源量評価
(2.1 地球の熱エネルギー、2.2 エクセルギーから見た地熱発電、2.3 地熱貯留層からの熱採取、2.4 断裂型貯留層からの熱採取、2.5 容積法による資源量評価、2.6 参考:エクセルギーとは)
3.地熱貯留層の特徴
(3.1 地熱貯留層の概念モデル、3.2 気液二相貯留層、3.3 地熱貯留層工学)
4.地熱貯留層評価:各種調査と坑井試験
(4.1 基本的なデータ、4.2 地表調査、4.3 坑内測定、4.4 貯留層圧力、4.5 貯留層温度、4.6 層序、断層および貯留層浸透率、4.7 参考:圧力遷移試験)
5.地熱貯留層評価:貯留層シミュレーション
(5.1 発電開始前の貯留層数値モデルの構築、5.2 生産予測シミュレーション、5.3 貯留層モデルの不確定性、5.4 参考:貯留層シミュレータ)
6.断裂型貯留層と貯留層モニタリング
(6.1 発電開始後のヒストリーマッチング、6.2 貯留層モニタリング)
6.「地熱発電」
  ―富士電機株式会社火力・地熱プラント総合技術部担当部長 山田茂登氏
1.概要
2.熱力学-エントロピとエンタルピ
3.水の状態量
4.セパレータ
5.蒸気タービン
(5.1 蒸気タービンの原理、5.2 断熱熱落差、5.3 復水式と背圧式、5.4 部分負荷とタービン内部の状態)
6.主冷却水系の最適化
(6.1 復水器、6.2 湿り空気と冷却塔、6.3 冷却水系の設計条件と復水器真空の選定)
7.ガス抽出装置
8.地熱資源の経年変化への対応
9.まとめv
7.「地熱井掘削概論」
  ―帝石削井工業株式会社代表取締役社長 島田邦明氏
1.地熱井
(1-1 目的による分類、1-2 掘削法による分類)
2.掘削計画
(2-1 ケーシングプログラム、2-2 掘削流体の選定、2-3 ビット計画、2-4 ケーシングセメンチング、2-5 傾斜掘り計画)
3.掘削装置
(3-1 マストとサブストラクチャー、3-2 ドローワークスとブレーキ、3-3 トップドライブシステム、3-4 泥水ポンプ、3-5 ソリッドコントロール機器と冷却塔、3-6 暴噴防止装置(BOP)、3-7 ドリルストリングス、3-8 計測機器とドリリングレコーダー)
4.地熱掘削技術
(4-1 高温度対策、4-2 高傾斜掘削、4-3 逸泥対策、4-4 坑内トラブルと対策、4-5 廃坑)
5.安全とHSEマネジメントシステム
6.掘削作業管理と技術者教育
7.おわりに
8.「地熱貯留層管理」
  ―西日本技術開発株式会社地熱部部長 矢原哲也氏
1.はじめに
2.地熱開発調査と地熱貯留層管理
3.地熱発電所におけるトラブル及び対策事例
(3.1 国内でのトラブルと対策事例 、3.2 海外でのトラブルと対策事例)
4.地熱貯留層の減衰原因
(4.1 生産井、4.2 還元井、4.3 原因と対策)
5.地熱貯留層管理
(5.1 八丁原発電所、5.2 各発電所のモニタリング、5.3 地熱貯留層シミュレーション)
6.スケール問題と対策方法
(6.1 スケール付着防止技術、6.2 スケール除去技術)
7.おわりに
9.「環境アセスメントの手続き」
  ―日本エヌ・ユー・エス株式会社環境リスクコンサルティング本部技術主幹 鈴木聡司氏
1.環境アセスメントとは
(1.1. 環境アセスメントが行われる趣旨、1.2. 我が国の環境アセスメント制度の概略、1.3. 地熱発電所に係る地方公共団体の条例による環境アセスメントの手続き)
2.地熱発電所の設置に係る手続きと環境アセスメント
(2.1. 地熱発電所の設置に係る手続きとの関係、2.2. 地熱発電所により懸念される環境影響)
3.地熱発電所に係る環境アセスメントに関する手続きの事例
(3.1. 省議アセスの適用事例、3.2. 既存の地熱発電所に係る主要評価項目、調査・予測手法、環境保全措置、3.3. 地熱発電所に対する環境影響評価法の適用事例)
4.環境影響評価法に基づく環境アセスメントの手続き
(4.1. 配慮書、4.2. 方法書、4.3. 準備書、4.4. 評価書、4.5. 報告書)
5.環境アセスメント手続き迅速化へ向けた動き
(5.1. 「発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等を検討するための連絡会議」、5.2. 「エネルギー基本計画(案)」、5.3. 「環境アセスメント手続き迅速化」の施策の効果)
(全部で約350ページ)


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