当財団では、中小水力発電開発促進事業の一環として、水力発電実務担当者(技術者)を対象とした研修会を企画実施しております。
この度、本年度第2回目(通算第111回目)の研修会を下記要領にて開催いたしますので、ご案内申し上げます。
関係各位多数ご参加下さいますようよろしくお願い申し上げます。
平成29年 | 10月12日(木)11:00~16:50 |
10月13日(金) 9:30~14:35 |
平成29年10月12日(木) | ||
時間 | テーマ及び講師 | 主な内容 |
10:30 | 受付開始 | |
11:00 | 開 会
(一財)新エネルギー財団 |
開会挨拶、プログラム及び配布資料の紹介ほか |
11:10 ~ 12:10 |
① 再生可能エネルギー政策の動向
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー課 課長補佐 外 山 喜 彦 |
平成24年7月に開始され、本年4月に新制度が施行された再生可能エネルギー固定価格買取制度を踏まえ、再生可能エネルギーの最新動向等を紹介する。 1.再生可能エネルギーの導入状況 2.再生可能エネルギー固定価格買取制度の動向 3.水力発電を巡る現状と課題 |
13:20 ~ 14:20 |
② 3Dソナーを搭載した 簡易型水中施工機械の開発 ~黒又川第二ダムでの沈木除去作業~ 株式会社 JPハイテック 発電事業本部 土木部 部長代理 青 木 和 浩 調査役 半 谷 広 明 |
ダム放流設備の水中点検を実施するに際し、呑口部スクリーン上に堆積した沈木を除去する必要が生じたため、従来の潜水士による人力作業に替えて、3Dソナーを搭載した水中施工機械を開発し導入した。本機械は、機能を3Dソナーによる沈木堆積状況の計測と油圧駆動のアームによる沈木除去作業に絞込み、機器の小型・軽量化を図っている。 本講義では、本機械の開発コンセプト・設計概要並びに現地工事の施工実績について紹介する。 |
14:35 ~ 15:35 |
③ 純揚水発電所の下部ダムを 利用した水力開発について ~京極名水の郷発電所新設工事~ ほくでんエコエナジー株式会社 発電事業部 土木グループリーダー 田 中 則 和 発電グループ次長 橘 裕 |
京極名水の郷発電所は、北海道電力が所有する北海道初の純揚水発電所である京極発電所の下部ダム(京極ダム)へ流入する河川水を活用した最大出力410kWの発電所であり、北海道電力グループのほくでんエコエナジーが設置し、運用を行っている。 本講義では、変落差・変流量の条件の下で、水車の特性を踏まえつつ幅広い運転範囲に対応可能とした発電計画を中心に、設計及び施工について紹介する。 |
15:50 ~ 16:50 |
④ 施工時の給水養生及び 供用中の電気化学的補修による 鉄筋コンクリート構造物の長寿命化 株式会社 安藤・間 技術本部 技術研究所 土木研究部 主任研究員 齋 藤 淳 |
鉄筋コンクリート構造物の寿命は、表層コンクリートで保護されている鉄筋の腐食の程度に左右される。施工時の給水養生工法は、型枠を取り外した直後のコンクリート表面に養生水を供給し、表層を密実化して外部からの劣化要因の侵入を抑制するものである。一方、供用中の電気化学的補修工法は、この給水養生工法を応用したもので、中性化によって鉄筋を保護する役目が衰えた表層コンクリートを再アルカリ化するものである。 本講義では、鉄筋コンクリート構造物の高品質化及び長寿命化に寄与するこれらの方策の概要を紹介する。 |
平成29年10月13日(金) | ||
時間 | テーマ及び講師 | 主な内容 |
9:30 ~ 10:50 |
⑤ 画像による構造物の 劣化・変状調査の事例 株式会社 東設土木コンサルタント 基盤情報部 情報・診断技術グループ グループマネージャー 土 井 孝 一 |
構造物を維持していくためには、長期的な経年変化の状況や現在の状態を確実に把握する事が有効である。老朽化や外部要因による異常は、表面に劣化や損傷として現れる事が多く、戦略的な維持管理・更新を行うには精度の良い調査が効果を発揮する。 画像による調査は、従来の目視点検に比べ足場仮設コスト、危険性の排除、客観性及び記録精度の向上に優れる。本講義では、事例を挙げながら画像調査の利点を紹介する。 |
11:05 ~ 12:05 |
⑥ 産業用ネットワークを活用した 一体形制御保護システムについて 株式会社 明電舎 電力・社会システム事業部 水力発電システム部 技術課長 亀 岡 孝 弘 発電事業部 回転機システム工場 装置設計部 電気設計課 技師 大 関 恵 美 子 |
水力発電所の制御装置は、一体形配電盤が主流となっており、これまで機能集約による部品の簡素化及び汎用コントローラの採用によるコストダウン施策を図ってきた。 しかし、ディジタル部品改廃周期の短周期化や機能集約による実装高密度化などから故障時の部品取替が困難な状況にある。また、電力システム改革に伴う競争環境下において、水力プラント全体の低コスト化が求められている。 本講義では、現地工事費の低減及び保守性の向上を目的に開発した一体形制御保護システムについて紹介する。 |
13:15 ~ 14:35 |
⑦ 最近の小水力発電設備の 実施例と技術動向 富士電機株式会社 発電プラント事業部 水力プラント部 小水力担当部長 大 和 昌 一 |
平成24年に開始された再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の影響を受けて、既設発電所の改造を含めて、全国各地で小水力発電の建設ラッシュが続いている。出力1,000kW未満の小水力発電は、FIT導入時の買取価格と買取期間が維持されていることに加えて、法改正により今後3年分の買取価格が示されたことにより、このブームは今後も続くことが予想される。 FITの普及に伴い発電事業者も多様化し、環境問題、価格低減や地産地消に結び付く新しい技術が導入されてきた。本講義では、近年の実施例を紹介すると共に技術的な解説を加える。 |
14:35 | 閉 会
(一財)新エネルギー財団 |