当財団では、中小水力発電開発促進事業の一環として、水力発電実務担当者(技術者)を対象とした研修会を企画実施しております。
この度、本年度第3回目(通算第112回目)の研修会を下記要領にて開催いたしますので、ご案内申し上げます。
関係各位多数ご参加下さいますようよろしくお願い申し上げます。
平成30年 | 2月8日(木)10:50~17:00 |
2月9日(金) 9:30~14:35 |
平成30年2月8日(木) | ||
時間 | テーマ及び講師 | 主な内容 |
10:20 | 受付開始 | |
10:50 | 開 会
(一財)新エネルギー財団 |
開会挨拶、プログラム及び配布資料の紹介ほか |
11:00 ~ 12:00 |
① ダム再生ビジョンに係る動向について
国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課 流水管理室 課長補佐 佐 藤 彰 |
国土交通省では、流域の特性や課題に応じてソフト・ハード対策の両面から、既存ダムの長寿命化、効率的かつ高度なダム機能の維持、治水・利水・環境機能の回復・向上など、既存ダムを有効活用する「ダム再生」を推進するため、平成29年6月に「ダム再生ビジョン」を策定し、ダム再生をより一層推進する方策を示した。 本講義では、本ビジョンに基づき現在進められている各種の取組みについて、水力発電に係るものを中心に紹介する。 |
13:10 ~ 14:10 |
② 赤石沢発電所聖沢えん堤見張所 雪崩対策工事について 中部電力株式会社 発電カンパニー 再生可能エネルギー事業部 静岡水力センター 技術課長 中 村 和 彦 |
赤石沢発電所では、2ヶ年に及ぶ大規模な雪崩により、取水制御設備が設置されているえん堤見張所が倒壊し、取水が不可能となった。このため、急峻な山岳地帯での狭隘な作業ヤードや車両のアクセスルートが無いという過酷な現場条件の下、早期の取水再開を目指して、土木・建築部門が一体となり、最適かつ最短工期で見張所を復旧するとともに、雪崩による被害を防止する雪崩導流壁を設置した。 本講義では、復旧工事の設計思想、施工方法及び安全管理等について紹介する。 [土木が中心の講義になります] |
14:25 ~ 15:45 |
③ 水力発電所における軸受等の 潤滑油管理に 適用する診断手法と事例の紹介 トライボテックス株式会社 代表取締役社長 川 畑 雅 彦 |
一般に、水車発電機の軸受は、振動や温度変化をパラメータとして管理しているが、これらが異常値を示した時には既に軸受のダメージが大きいことが多い。潤滑状態の異常を早期検出する技術は、潤滑油中の摩耗粒子の形態や材質で分析する潤滑診断法が知られているが、管理基準を設定するには試験機で得られるデータだけでは十分とは言えず、実機のデータ収集が不可欠である。 本講義では、実機の潤滑油温を故意に上げ、軸受を損傷させる試験を実施し潤滑油分析を行ったため、その結果を紹介する。 |
16:00 ~ 17:00 |
④ 勝山第二発電所水車・発電機 取替工事について ~高経年劣化設備の改修~ 中国電力株式会社 東部水力センター 水力電気第三課 担当係長 渡 辺 一 直 土木第五課 主任 西 田 正 樹 |
勝山第二発電所3・4号水車・発電機は、昭和19年の運転開始後70年以上が経過し、設備全体の劣化が進んでいたため、平成27年4月から改修工事を実施した。設計においては、新技術の採用、設備スリム化及び発電電力量の増加等に取り組み、施工においては、工事期間中の溢水電力低減等に取り組んだ。 本講義では、本工事の計画、設計及び施工について紹介する。 [電気が中心の講義になります] |
平成30年2月9日(金) | ||
時間 | テーマ及び講師 | 主な内容 |
9:30 ~ 10:50 |
⑤ 分水第一発電所改良工事について ~老朽設備の更新に合わせた 発電所の地中化工事~ 四国電力株式会社 電力輸送本部 水力部 総括グループ 副リーダー 玉 井 典 電気グループ 主任 山 下 広 大 |
分水第一発電所は、運転開始後70年以上が経過し、水車・発電機など主要設備の更新時期を迎え、また近年の降雨特性の変化に伴い地すべりによる設備損壊リスクが高まっていた。 今回、主要設備の更新に合わせ、既設の取水設備、導水路や水圧鉄管を極力活用した上で、地上にある全ての発電設備を、地すべりの影響を受けない地下に移設する改良工事を実施したことから、本講義では、本工事の計画、設計及び施工について紹介する。 [土木・電気の割合が等しい講義になります] |
11:05 ~ 12:05 |
⑥ 無線操縦方式の自走式水圧鉄管 内面点検装置の開発について 北海道電力株式会社 総合研究所 火力・土木技術グループ 副主幹 笠 井 秀 男 ネットワーク技術グループ 副主幹 福 澤 修一朗 |
北海道電力の水力発電所は、建設後数十年以上を経過した発電所が多く、設備の延命化を目的とした点検技術の向上が課題になっている。特に水圧鉄管は、狭隘区間や急傾斜区間など人力による近接目視点検が困難な箇所が存在するため、カメラを搭載した遠隔点検装置の開発を研究所において進めている。 本講義では、無線通信によりデータ送受信を行い、電動モータと車輪空転の自動切替機能により鉄管内面を移動する点検装置について、現地実証試験の結果とともに紹介する。 |
13:15 ~ 14:35 |
⑦ FIT制度を活用し水槽から 放水路までの 全設備を改修した工事事例について ~梅木発電所のリパワリング~ 東京発電株式会社 三島事業所 工務課 課長 渡 邊 諭 勝 亦 徹 |
東京発電では、水路設備を含む設備全体の劣化度と経済性を検討し、改修が必要であると判断した場合には、FIT制度を活用した工事を行っている。本工事の特徴は、FIT制度の既設導水路活用型として、発電設備の改修とともに、水圧鉄管を2条から1条へ変更するなど、水槽から放水路までの全設備を改修したことである。 本講義では、釣り客への災害リスク低減のため水槽余水路末端に減勢工を設置した事例も含めて、本工事の計画、設計及び施工について紹介する。 [土木が中心の講義になります] |
14:35 | 閉 会
(一財)新エネルギー財団 |