当財団では、中小水力発電開発促進事業の一環として、水力発電実務担当者(技術者)を対象とした研修会を企画実施しております。
この度、本年度第1回目(通算第113回目)の研修会を下記要領にて開催いたしますので、ご案内申し上げます。
関係各位多数ご参加下さいますようよろしくお願い申し上げます。
平成30年 | 7月5日(木)11:10~17:00 |
7月6日(金) 9:40~14:45 |
平成30年7月5日(木) | ||
時間 | テーマ及び講師 | 主な内容 |
10:40 | 受付開始 | |
11:10 | 開 会
(一財)新エネルギー財団 |
開会挨拶、プログラム及び配布資料の紹介ほか |
11:20 ~ 12:20 |
① 流通設備効率向上に向けた 取組みについて ~日本版コネクト&マネージ に関する取組状況~ 電力広域的運営推進機関 計画部 マネージャー 大 橋 則 孝 |
平成29年3月に策定された「広域系統長期方針」に基づき、流通設備効率向上に向けた取組みが進められている。蓋然性のある想定潮流により生じた空容量を新規電源の連系に活用する「想定潮流の合理化等の取組」、系統事故時の電源制限(電制)を前提に運用容量を拡大する「N-1電制」、平常時の系統混雑時に電源抑制することを前提に系統の隙間利用を可能とする「ノンファーム型接続」など、本講義では、現在、電力広域的運営推進機関にて行われている日本版コネクト&マネージの取組みに関する検討状況について紹介する。 |
13:30 ~ 14:30 |
② 注水設備の未利用落差を活用した 小水力発電所の建設について ~このき谷発電所の建設~ 電源開発株式会社 土木建築部 設備計画室 開発調査タスク 高 倉 秀 幸 水力発電部 水力電気室 発電技術タスク 石 黒 友希夫 |
九頭竜ダムは、高さ128mのロックフィルダムであり、電源開発では、この九頭竜貯水池を上池として、出力22万kWの長野発電所(混合揚水)を昭和43年より運転している。総貯水容量3.5億m3の集水の一部は、支流石徹白川に設置した3つの取水ダム(三面谷、石徹白、智那洞谷)から引水しているが、注水トンネル出口の標高はダム湖面よりも高く、未利用の落差を有していた。このき谷発電所は、この遊休落差に着目して開発された最大出力199kWの発電所であり、平成28年12月に運転を開始した。 本講義では、本計画の概要及び設計、施工について紹介する。 [土木が中心の講義になります] |
14:45 ~ 15:45 |
③ 河川維持放流水を利用した 水力発電所の建設について ~神室発電所の建設~ 山形県企業局 最上電気水道事務所 施設管理課 施設管理主査 安 食 直 樹 |
神室発電所は、県営神室ダムからの河川維持流量放流水1.40m3/sを活用した最大出力420kWの小水力発電所であり、平成29年10月に運転を開始した。その建設工事は、施工場所が極めて狭く、ダムからの河川放流を維持しながら、不断水工法を用いずに放流管から水圧鉄管を分岐した。また、送電線をダム監査廊内に敷設したことや大型ストレーナ及びSVC装置を設置したことなどが、主な特徴として挙げられる。 本講義では、本計画の設計、施工から運転までを紹介する。 [土木・電気の割合が等しい講義になります] |
16:00 ~ 17:00 |
④ 国内小水力市場における 海外メーカー取引の留意点について 日本小水力発電株式会社 代表取締役社長 半 田 宏 文 技術部 部長 三 輪 真 司 |
再生可能エネルギーである小水力発電の導入拡大に向けて、海外製品の活用への関心が高まりつつある。このような中、中小水力発電分野において長年の歴史と実績を誇り、蓄積された技術ノウハウを有するヨーロッパの小水力発電機器を採用する事例も見受けられるようになっている。本講義では、欧州水車メーカーと提携し、システム設計から保守までのトータルサービスを提供している日本小水力発電の取組みを通じて、海外メーカーとの取引における留意点を中心に紹介する。[電気の講義になります] |
平成30年7月6日(金) | ||
時間 | テーマ及び講師 | 主な内容 |
9:40 ~ 11:00 |
⑤ 自然環境の保護に配慮した 水力発電所の再開発について ~新名音川発電所の建設~ 九州電力株式会社 土木建築技術センター 水力開発事務所 開発第1グループ 副長 太 田 勝 康 九電みらいエナジー株式会社 開発本部 鴨猪水力発電所建設所 課長 坂 元 博 巳 |
新名音川発電所は、運用開始以来58年が経過し、主要機器等の老朽化に伴う総合的な設備の更新に合わせ、最大取水量を増量して最大出力を増加させる再開発工事を行い、平成28年6月に運用を開始した。本発電所が位置する奄美大島は、美しい自然環境に恵まれ、希少な動植物が多数存在する地域であり、工事の計画・実施にあたっては、環境への影響を最小限に留める必要があった。 本講義では、自然環境の保護に配慮した本工事の設計、施工について紹介する。[土木が中心の講義になります] |
11:15 ~ 12:15 |
⑥ 既設の工業用水道施設を有効活用した 水力発電所の建設について ~宇部丸山発電所の建設~ 山口県企業局 厚東川工業用水道事務所 主任 石 丸 智 一 |
宇部丸山発電所は、企業局で管理する宇部丸山ダムから取水している上水及び工業用水の未利用落差を有効活用するために、既設の工業用水道施設を改造して水車発電機を取水塔内部に設置したもので、平成28年4月に運転を開始した最大出力130kWの発電所である。 本講義では、コスト縮減のため既設取水塔内の限られたスペースに水車発電機を設置するなど、設計、施工において工夫した事例を紹介する。[電気が中心の講義になります] |
13:25 ~ 14:45 |
⑦ 地域と一体となった水力発電所の 建設・維持管理について ~落合平石小水力発電所の建設~ 飛島建設株式会社 土木事業本部 プロジェクト統括部 環境・エネルギーグループ 担当部長 田 村 琢 之 |
落合平石小水力発電所は、飛島建設とオリエンタルコンサルタンツの2社により、岐阜県中津川市内に建設された最大出力126kWの発電所であり、平成28年4月に運転を開始した。プロジェクトは、地域の共有資産である農業用水路を利用するため、老朽化した農業用水路の改修や点検・清掃業務の地元地区への委託等を通して地域の理解と協力を得ながら進められた。本講義では、既存施設の活用とこれによる地域の共生を目指した事業モデルを中心に、建設、維持管理の事例について紹介する。[土木が中心の講義になります] |
14:45 | 閉 会
(一財)新エネルギー財団 |