研修・講演会
当財団では、中小水力発電開発促進事業の一環として、水力発電実務担当者(技術者)を対象とした研修会を企画実施しております。
この度、本年度第3回目(通算第115回目)の研修会を下記要領にて開催いたしますので、ご案内申し上げます。
関係各位多数ご参加下さいますようよろしくお願い申し上げます。
三会堂ビル(9階 石垣記念ホール)
〒107-0052 東京都港区赤坂一丁目9番13号
電話:03-3582-7451
140名程度(申込先着順)
(ご1名につき)
賛助会員 28,000円、 一般 32,000円
主テーマ:水力発電所の改造及び運用保守
開催日:平成31年2月14日(木)~15日(金)
時間 | テーマ・講師 | 主な内容 |
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10:10 | 受付開始 |
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10:40 | 開 会(一財)新エネルギー財団 |
開会挨拶、プログラム及び配布資料の紹介ほか |
10:50~11:50 | ① 水力設備の公衆災害リスク評価を目的とした浸水解析ソフトウェアの開発一般財団法人電力中央研究所 |
水力発電設備(水路、ヘッドタンク等)の損壊等に伴う公衆災害リスクを評価するための浸水解析ソフトウェアを開発した。本ソフトウェアでは、水力設備から溢水した場合の浸水範囲の解析や、水流が土石流化した場合の家屋被災判定などを行うことができる。また、市販のノートパソコンで動作することで、解析経験のない実務者でも簡便に利用することを可能にしている。 本講義では、浸水解析ソフトウェアの紹介並びにデモンストレーションを行う。 |
13:00~14:00 | ② 風屋ダム表面取水設備の改造工事及び環境対策について電源開発株式会社 |
十津川第一発電所風屋ダムが位置する新宮川水系熊野川では、近年、元々の崩れやすい地質に加え平成23年に発生した紀伊半島大水害の影響により、出水時の河川濁度の増大とダム湖への貯留による濁水長期化現象が顕著になっている。対策の一つとして、既設の表面取水設備を改造することで、設備の操作性と信頼性を向上させるとともに、貯水池表面の清水の取水能力を向上させ濁水長期化の軽減を図った。 本講義では、本工事の計画、設計、施工を中心に熊野川における濁水対策について紹介する。 |
14:15~15:15 | ③ 通水能力の回復を目的とした既設導水路トンネルの改修事例について株式会社熊谷組 |
エネルギー基本計画の下、エネルギー政策の一翼を担う水力発電所のリニューアル工事は、近年その重要性を増している。イビデン広瀬発電所並びに東横山発電所は約100年前に構築された発電所であり、老朽化の進行により導水路トンネルの通水能力が低下していた。そこで今回、安定的な発電用水確保のために、水路表面の平滑化による粗度の改良に加えて、インバート掘り下げによる通水断面の拡大を行った。 本講義では、本工事の計画、設計及び施工について、効果確認を行った結果を含めて紹介する。 |
15:30~16:50 | ④ 既設ダム洪水吐きの放流方式変更によるダム管理業務の合理化・省力化について
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切越発電所明谷ダムは、建設以降80年以上が経過し、堆砂進行に伴う貯水容量の減少により、運用実態が流れ込み式発電所とほぼ同様の状況になるとともに、洪水吐きゲートの操作が頻繁に必要となるなど、ダム管理業務に多大な労力を要していた。今回、ダム主要設備の更新に併せて、設備のスリム化及び運用・保守の合理化・省力化を図るため、洪水吐きをゲート放流方式から自然越流方式へ変更(ゲートレス化)するダム改良工事を実施した。 本講義では、本工事の計画、設計及び施工について紹介する。 |
時間 | テーマ・講師 | 主な内容 |
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9:45~10:45 | ⑤ 水車ランナの亀裂発生原因の究明及び部材強度測定による健全性評価について九州電力株式会社 |
近年、水車ランナに亀裂が発生する不具合事象が顕在化しており、適切な溶接補修方法や品質管理手法並びに余寿命評価による最適な更新時期の設定方法の確立が求められている。 本講義では、亀裂箇所の破面検査により、水車ランナが損傷に至った原因を調査しそのメカニズムを究明した結果とともに、部材強度の測定結果から修正グッドマン線図を用いて、新製時と現在値との比較により、現状の健全性評価を行う手法について紹介する。 |
11:00~12:20 | ⑥ 栂ノ尾発電所水車発電機全面改良工事の概要について
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大正11年に運転を開始した栂ノ尾発電所は、昭和57年に水車・発電機を改良して以降35年を経過し、経年劣化による設備不具合が部分改修等で対応困難となり、今回、水車・発電機他の全面改良工事を実施した。この中で、水車・発電機基礎、ドラフト、水圧鉄管の改良工事は、発電所構内の狭隘な場所での作業になるとともに、国道に隣接するという厳しい施工条件の下で行った。 本講義では、既設設備撤去から新設部分の施工内容について紹介する。[土木が中心の講義になります] |
13:30~14:30 | ⑦ 経年水路トンネルにおける上部空洞充填による上部地盤の保全事例について東京電力ホールディングス株式会社 |
無圧導水路トンネル建設時に覆工背面頂部に残置されることがある空洞は、経過地周辺の岩盤が堅硬である場合には問題になることは少ない。しかし、未固結地盤内を経過する場合には、空洞規模や地質性状によって空洞が上部に進展し地表面陥没に至る場合がある。この地表面陥没による公衆災害を未然に防止する観点から、覆工背面の地盤調査や空洞充填対策を実施した。 本講義では、既設水路トンネルにおいて空洞進展調査を実施し対策区間を選定する考え方と充填材料による空洞の充填方法について、実際の調査・対策事例を交えて紹介する。 |
14:30 | 閉 会(一財)新エネルギー財団 |
平成31年2月4日(月)
一般財団法人 新エネルギー財団 水力地熱本部
担当:実務研修会担当
〒170-0013 東京都豊島区東池袋三丁目13番2号
TEL:03-6810-0364 FAX:03-3982-5101
E-mail:hydroes,nef.or.jp