研修・講演会
当財団では、中小水力発電開発促進事業の一環として、水力発電実務担当者(技術者)を対象とした研修会を企画実施しております。
この度、本年度第2回目(通算第117回目)の研修会を下記要領にて開催いたしますので、ご案内申し上げます。
関係各位多数ご参加下さいますようよろしくお願い申し上げます。
三会堂ビル(9階 石垣記念ホール)
〒107-0052 東京都港区赤坂一丁目9番13号
電話:03-3582-7451
140名程度(申込先着順)
(ご1名につき) 賛助会員 29,400円、 一 般 34,600円
主テーマ:水力発電における技術動向
開催日:令和元年(2019年)10月17日(木)~18日(金)
時間 | テーマ・講師 | 主な内容 |
---|---|---|
10:30 | 受付開始 |
|
11:10 | 開 会(一財)新エネルギー財団 |
開会挨拶、プログラム及び配布資料の紹介ほか |
11:20~12:20 | ① 流通設備の効率向上に向けた取組みについて
|
平成29年3月に策定された「広域系統長期方針」に基づき、流通設備の効率向上に向けた取組みが行われている。蓋然性のある想定潮流により生じた空容量を新規電源の連系に活用する「想定潮流の合理化等の取組み」、系統事故時の電源制限(電制)を前提に運用容量を拡大する「N-1電制」、平常時の系統混雑時に電源抑制することを前提に系統の隙間利用を可能とする「ノンファーム型接続」など、本講義では、現在、電力広域的運営推進機関で行われている日本版コネクト&マネージの取組みに関する検討状況について紹介する。 |
13:30~14:10 | ② ダム水中部点検での潜水作業を代替・支援する水中点検ロボットの開発について株式会社大林組 土木本部 |
近年、多くの社会インフラ施設が老朽化する中、ダム水中部の潜水士による近接目視の代替・支援技術が望まれている。そこで、大林組では、水中における姿勢制御装置を搭載した水中点検ロボットを開発し、供用中のダムにおける実証実験を経て点検業務での実運用を始めている。 本講義では、水中点検ロボットの機能の紹介とともに、実証実験及び実際の点検業務において運用した結果を紹介する。 |
14:25~15:25 | ③ 無巻トンネルの空洞安定性評価におけるハンドヘルドレーザー計測の適用について中日本航空株式会社 調査測量事業本部 |
近年、水力発電設備のうち無巻の水路トンネルでは、洗堀・落盤など地質条件に起因するリスクが顕在化する傾向にあり、変状の的確な把握・評価が求められている。また、水路トンネルの維持管理では、限られた抜水期間の中で短時間に点検を終える必要がある。そこで、今回、岩盤の不連続面や坑壁の変状の把握などトンネル空洞の安定性を評価するための調査に、対象物の形状を3次元で簡便かつ精度良く計測できるハンドヘルドレーザースキャナを適用した。本講義では、レーザー計測の概要とその無巻トンネルでの調査への適用事例について紹介する。 |
15:40~16:40 | ④ ドローンを活用したフィルダムリップラップ材の劣化状況把握手法について中国電力株式会社 |
水力発電所のロックフィルダムにおけるリップラップは、ロック材の移動・浸食等を防止する法面保護の役割を担うものであり、リップラップ材の機能を維持することは、堤体の安全性を確保するうえで重要である。このリップラップ材の状態監視を、中国電力では、定期的な巡視及び点検に加えて定点での写真撮影により行っているが、今回新たにドローンによる航空写真撮影を活用して、堤体全体にわたるリップラップ材の岩種及び劣化度の調査及び評価を行った。本講義では、既設ダムでの適用事例を基に、その手法と調査結果を紹介する。 |
時間 | テーマ・講師 | 主な内容 |
---|---|---|
10:00~11:00 | ⑤ 中小水力発電所の技術動向
|
従来から中小容量向け水力発電設備には、補機の簡素化技術や環境対策技術が多く採用されてきた。その中でも、従来の電動サーボモータの欠点を補うべく開発されたハイブリッドサーボモータや、適用範囲を拡大した水潤滑軸受が近年多く採用されるようになってきている。 本講義では、これらの技術の概要と動向について紹介する。 |
11:15~12:15 | ⑥ 既設ダムの河川維持流量を利用した水力発電所の開発について
|
さこれ水力発電所は、中部電力が所有する東上田ダムからの維持流量を有効利用することを目的に開発された最大出力380kWの維持流量発電所であり、平成30年9月に運転を開始した。既設取水口から新設した水圧管路により導水して(サイホン取水)、立坑内に設置された水中タービン発電機で発電を行う。 本講義では、サイホン取水方式及び水中タービン発電機を採用した経緯、並びに狭隘部で作業を行うために工夫した施工計画とその実績について紹介する。 [土木・電気の割合が等しい講義になります] |
13:25~14:25 | ⑦ 河川の未利用落差を活用した小水力発電所の建設について
|
上百瀬発電所は河川の未利用落差を活用した使用水量1.0m³/s、出力670kWの小水力発電所であり、平成30年12月に運転を開始した。平成27年12月に工事に着手したが、冬期間の工事休止や台風被害等の影響により運転開始まで3年間を費やした。近年は、用水路等の既設設備を活用した小水力発電所の建設が盛んであるが、河川における新規開発は、富山県企業局として17年ぶりのものであった。本講義では、その建設概要を紹介する。 [土木・電気の割合が等しい講義になります] |
14:25 | 閉 会(一財)新エネルギー財団 |
令和元年(2019年)10月7日(月)
一般財団法人 新エネルギー財団 水力地熱本部
担当:実務研修会担当
〒170-0013 東京都豊島区東池袋三丁目13番2号
TEL:03-6810-0364 FAX:03-3982-5101
E-mail:hydroes,nef.or.jp