研修・講演会
当財団では、中小水力発電開発促進事業の一環として、水力発電実務担当者(技術者)を対象とした研修会を企画実施しております。
この度、本年度第1回目(通算第119回目)の研修会を下記要領にて開催いたしますので、ご案内申し上げます。
関係各位多数ご参加下さいますようよろしくお願い申し上げます。
オンライン配信(事前登録制)とDVD配布
100名程度(申込先着順)
賛助会員 29,400円、一般 34,600円
(オンライン聴講の有無に関わらずご1名につき、テキスト代・DVD代を含む)
主テーマ:水力発電所の計画及び建設
開催日:令和2年10月15日(木)~16日(金)
時間 | テーマ・講師 | 主な内容 |
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10:00 | 受付開始 |
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10:30 | 開 会(一財)新エネルギー財団 |
開会挨拶、プログラムの紹介ほか |
10:40~11:40 | ① 新たな電力市場の動向について経済産業省 資源エネルギー庁 |
電力システム改革貫徹のための政策小委員会の中間とりまとめ(平成29年2月)では、市場メカニズムを有効に活用しつつ3E+Sを実現することを目的に、ベースロード市場、容量市場、需給調整市場、非化石価値取引市場等の創設が提言された。各市場の詳細制度設計については、鋭意検討が進められてきており、一部の市場ではすでに取引が開始されている。 本講義では、それぞれの市場の概要と最近の動向について、取引開始後の実績や制度設計の方向性などを交えて紹介する。 |
12:50~13:50 | ② 地域貢献型水力開発の推進について
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再エネ特措法では、目的の一つに「地域の活性化」が掲げられているが、地域との共生を促すための具体的な方策は十分とは言えない状況である。しかし、今般のFIT制度の抜本見直しに係る議論の中で、小水力は地域活用電源に位置付けられ、地域活用要件の方向性が示されるなど、支援制度の構築に向けた検討が改めて進められているところである。 本講義では、地域資源を活用する水力開発と地域との共生を考える際の一助とすべく、秋田県仙北市及び岐阜県奥飛騨温泉郷での地域貢献型水力開発の事例を紹介する。 |
14:05~15:25 | ③ 大きな変流量・変落差運転に対応した新形水車の開発について早稲田大学 理工学術院 |
再生可能エネルギーの伸長に伴い、水力発電においても幅広い負荷変動への対応が求められている。従来の水車では、部分負荷及び過負荷で効率が低下し、振動・騒音が増大するため運転範囲が制限されている場合が多い。そこで、秋田県では産官学連携の取組みとして、大きな変流量、変落差にも対応可能な従来とはコンセプトの異なる水車を開発し、鎧畑発電所に設置する実証設備において性能検証を行う事業を早稲田大学他と共同で進めている。 本講義では、新形水車の開発内容と従来の水車との性能の比較について紹介する。 |
15:40~17:00 | ④ 上結東水力発電所の設計及び建設について
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上結東水力発電所は、昭和36年竣工の砂防堰堤側部に設けられた最大出力990kWの流れ込み式発電所であり、令和2年5月に営業運転を開始した。発電所は、河床から掘削した深さ27mの立坑内に構築され(立軸チューブラ水車)、放水路には現在使用されていない堰堤建設時に施工された排水用仮設隧道を活用している。また、台風等河川増水時の砂利を大量に含んだ泥流に対しては、鋼管による減勢機構及び耐摩耗鋳鋼材の活用で対処している。 本講義では、水理模型実験を含む設計・運用計画及び建設工事の過程について紹介する。 [土木の割合が大きい講義になります] |
時間 | テーマ・講師 | 主な内容 |
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10:00~11:00 | ⑤ 家康公用水発電所新設工事の概要について東京発電株式会社 |
家康公用水発電所は、静岡県の富士川水系芝川から取水する農業用水路である北山用水に新設された最大出力158kWの小水力発電所であり、令和元年9月に営業運転を開始した。発電所の水路管としてFRPM管を使用しており、屈曲部には今回初めてFRPMの曲管(内径800φ)が採用された。また、「水力発電の導入促進のための事業費補助金(地域理解促進等関連事業)」を活用して、発電所に隣接する公園を設置するとともに用水路の由来などについて説明看板を設置した。 本講義では、本計画の概要及び設計、施工について紹介する。 [土木が中心の講義になります] |
11:15~12:15 | ⑥ FRP(M)水圧管路と「水門鉄管技術基準 FRP(M)水圧管路編(改訂第2版)」について一般社団法人電力土木技術協会 |
強い、軽い、錆びない等の特徴をもつFRP(M)水圧管路は新エネルギー財団で検討が始まり、1996年には国による沖縄海水揚水発電技術実証試験の水圧管路にも採用され、その優れた点が確認された。その後の知見を盛リ込み、このほど、「水門鉄管技術基準 FRP(M)水圧管路編(改訂第2版)」が発行されることになった。 本講義では、FRP(M)水圧管路の材料特性と水力発電所に用いるうえでの得失並びに技術基準の概要を紹介する。 |
13:25~14:45 | ⑦ 引水による既設水力発電所の発生電力量増加の取組みについて
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加須良川引水設備は、小落差の成出発電所及び新成出発電所で使用していた庄川水系加須良川の水を、高落差を有する境川発電所へ約1.2kmの導水路を介して引水することで、発生電力量の増加を図るものである。 本講義では、本設備の計画、設計及び施工の中から、トンネル工事における破砕帯への対応等、特色のある内容を中心に紹介する。 |
14:45 | 閉 会(一財)新エネルギー財団 |
令和2年10月5日(月)
テキストのみの頒布(DVD付属なし)を希望される方は、以下の方法でお申込み下さい。
一般財団法人 新エネルギー財団 水力地熱本部
担当:実務研修会担当
〒170-0013 東京都豊島区東池袋三丁目13番2号
TEL:03-6810-0364 FAX:03-3982-5101
E-mail:hydroes,nef.or.jp