研修・講演会
当財団では、中小水力発電開発促進事業の一環として、水力発電実務担当者(技術者)を対象とした研修会を企画実施しております。
この度、本年度第2回目(通算第120回目)の研修会を下記要領にて開催いたしますので、ご案内申し上げます。
関係各位多数ご参加下さいますようよろしくお願い申し上げます。
オンライン配信(事前登録制)とDVD配布
100名程度(申込先着順)
賛助会員 29,400円、一 般 34,600円
(オンライン聴講の有無に関わらずご1名につき、テキスト代・DVD代を含む)
主テーマ:水力発電における技術動向
開催日:令和2年12月17日(木)~18日(金)
時間 | テーマ・講師 | 主な内容 |
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10:30 | 受付開始 |
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11:00 | 開 会(一財)新エネルギー財団 |
開会挨拶、プログラム及び配布資料の紹介ほか |
11:10~12:10 | ① 「隠れた水力」の開発可能性
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水力発電は、制度の充実化や買取価格の優遇など、市場の条件が整いつつあるものの、その導入実績は、他の発電手法と比べて低調である。水力発電の新たな設置場所は、小規模化、奧地化し、開発が困難であるため、既存ダムや砂防堰堤を新たな視点で捉えて、最大限普及拡大する必要がある。 本講義では、再生可能エネルギーを普及拡大することを目的に、既存ダムや砂防堰堤を有効活用するための調査・検討結果を報告する。 |
13:20~14:20 | ② MRデバイスを活用した水路トンネルの調査・点検手法と維持管理業務の効率化三井住友建設株式会社 |
水路トンネルの調査・点検では、近接目視により既往の損傷状況と現況を比較することで劣化の進行状況の把握を行う。しかしながら、照明施設がない水路トンネルは暗所となるため、現地での照合作業に多くの時間を要している。 本講義では、MR(Mixed Reality:複合現実)デバイスを用いて既往の調査・点検記録などを3D画像としてトンネル壁面に重ね合わせ、既往の損傷箇所や定期的な点検を要する箇所などへのナビゲーションを可能とするシステムを紹介する。 |
14:35~15:35 | ③ 無線マルチホップ方式のLPWA技術の実際と応用
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物のインターネットと言われるIoT社会を実現するために様々な技術革新が続いているが、その中で安価に、かつ広域からデータを収集できるLPWA技術(Low Power Wide Area:低消費電力で長距離の通信ができる無線通信技術の総称)が注目を浴びており、第1次産業をはじめ社会インフラの領域でも適用が始まっている。 本講義では、数ある技術のうち、スマートメータに由来する無線マルチホップ方式のLPWA技術について概説するとともに水力発電に関わる実際の運用例を紹介する。 |
15:50~16:50 | ④ 既設流れ込み式水力発電所の増電力量・効率化に資する制御改善の取組み東京発電株式会社 |
既設水力発電所のポテンシャルを最大限有効活用するため、FIT制度を活用してリパワリングなど設備を大幅に更新することにより増電力量や維持管理の効率化を図る取組みが行われているが、これに加えて、運用面においても増電力量や保守効率化に資する改善の取組みが重要である。 本講義では、発電事業者独自で運用面の改善を行い成果が得られた「取水量制御の高度化」並びに「自動制御による出水対応の効率化」について紹介する。 |
時間 | テーマ・講師 | 主な内容 |
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10:30~11:50 | ⑤ 小出力チューブラ水車・発電機の国内での最近の導入事例について富士電機株式会社 発電プラント事業本部 |
特別措置法である再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)は平成24年7月より施行され、令和4年4月に改正が予定されているが、本制度の開始により、従来では採算性が得られなかった小出力で低落差のS形及び立軸チューブラ水車が水車形式として採用される事例が増えている。 本講義では、農業用水路を利用した開発や既設発電所の更新など複数の導入事例について、発電機器を中心に概要と特徴を紹介する。また、水車、発電機及び周辺機器の性能や形式選定等について営業運転前の現地試験等における留意点を含めて解説を加える。 |
13:00~14:00 | ⑥ 電力インフラを支えるAI技術について株式会社NTTデータ |
AIやIoTなどの最新技術は、電力インフラの老朽化、労働人口の減少といった課題に対して親和性が高く、本格的な業務適用の動きがこの1~2年で加速している。 本講義では、電力インフラの設備異常診断(油入変圧器の漏油検知、冷却ファン等の異音検知、その他異常検知)を可能とした、最新のAI技術を活用した取組みについて紹介する。 |
14:15~15:35 | ⑦ 虻田発電所3号水車発電機更新工事について
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虻田発電所は1939年に運転を開始した3台の水車発電機を有する貯水池式の水力発電所であるが、運転開始以来約80年を経過し設備の経年劣化が著しく、かつ改修範囲が設備全体に及ぶことから、FIT制度(既設導水路活用型)を適用した更新工事を2018年に開始し、最初となる3号機が2020年3月に改修工事を終え運転を再開した。 本講義では、貯水池水位や停電制約を考慮した1台毎の更新方法、オープンケーシング等の新技術採用による工期短縮及び発電電力量増加の取組み等の特徴を中心に水車発電機他更新工事の設計及び施工について紹介する。 [土木・電気の割合が等しい講義になります] |
15:35 | 閉 会(一財)新エネルギー財団 |
令和2年12月3日(木)
テキストのみの頒布(DVD付属なし)を希望される方は、以下の方法でお申込み下さい。
一般財団法人 新エネルギー財団 水力地熱本部
担当:実務研修会担当
〒170-0013 東京都豊島区東池袋三丁目13番2号
TEL:03-6810-0364 FAX:03-3982-5101
E-mail:hydroes,nef.or.jp