研修・講演会
当財団では、中小水力発電開発促進事業の一環として、水力発電実務担当者(技術者)を対象とした研修会を企画実施しております。
この度、本年度第3回目(通算第121回目)の研修会を下記要領にて開催いたしますので、ご案内申し上げます。
関係各位多数ご参加下さいますようよろしくお願い申し上げます。
オンライン配信(事前登録制)とDVD配布
100名程度(申込先着順)
賛助会員 29,400円、一 般 34,600円
(オンライン聴講の有無に関わらずご1名につき、テキスト代・DVD代を含む)
主テーマ:水力発電所の改造及び運用保守
開催日:令和3年2月18日(木)~19日(金)
時間 | テーマ・講師 | 主な内容 |
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10:20 | 受付開始 |
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10:50 | 開 会(一財)新エネルギー財団 |
開会挨拶、プログラムの紹介ほか |
11:00~12:00 | ① 利水ダム等の事前放流の取組みについて国土交通省 水管理・国土保全局 |
国土交通省では、関係省庁と連携して、治水を目的に含む約570のダムに加え、電力や農業などを目的とする約900のダムを治水対策に活用する事前放流の取組みを全国の河川で推進している。令和2年6月からは、ダムのある全ての1級水系で事前放流の新たな運用を開始するとともに、順次、2級水系においても運用を開始しているところである。 本講義では、ダムの役割と効果、事前放流の取組み経緯、事前放流の仕組み、実施状況などについて紹介する。 |
13:05~14:25 | ② 水路トンネルの維持管理に関する実務について
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水路トンネルの維持管理は、保全技術者による巡視点検に頼っているが、業務のアウトソーシング化が進み、設備管理者にとっては、保全技術・技能をどのように若手技術者に継承するかが重要な課題となっている。このような背景の下、土木学会エネルギー委員会では、若手保全技術者が現場で遭遇する様々な実現象をどのように判断、対処すべきかを解説した実務手引きを作成した。本手引きは、中堅技術者の若手育成OJTツールへの活用も期待できる。 本講義では、実務において水路保全技術者が理解しておくべき維持管理業務における要点を解説する。 |
14:40~15:40 | ③ 無人航空機(UAV)とAIを活用したダム堤体の劣化把握手法について八千代エンジニヤリング株式会社 |
従来、ダム堤体の点検は目視点検を基本として行われてきたが、作業量が膨大であるうえ、点検者の個人差や主観が含まれることが課題であった。これに対し無人航空機(Unmanned aerial vehicle:UAV)による撮影とAIを用いた画像認識を組み合わせることにより、点検の効率化と定量化を同時に実現可能である。 本講義では、鳴子ダムにおいて実施した非GPS環境下での自律飛行による空撮・計測と、AIを活用した劣化検出により堤体の劣化マップを作成した事例について報告する。 |
15:55~16:55 | ④ 湯之谷発電所ダム改良工事の概要について東北電力株式会社 |
湯之谷発電所ダムは、洪水吐設備として鋼製ゲート2門と木製角落し13門により出水処理を行っていた。しかし、木製角落しの開閉操作は現地でのホイスト吊フックの掛外しを要し、操作性と安全性に問題があった。一方、湯之谷発電所は平成23年の新潟・福島豪雨により、ダムを含めて大きな損傷被害に見舞われ発電停止となった。このため、復旧にあたっては原形復旧ではなく、諸問題を解決するために、ゲートレス化による出水時のゲート操作を要しない自由越流方式として、ダム改良工事を計画した。 本講義では、その概要を報告する。 |
時間 | テーマ・講師 | 主な内容 |
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9:40~10:40 | ⑤ 新成羽川ダムの事前放流による治水協力検討概要及び事前放流実施結果等について中国電力株式会社 |
中国電力が管理する新成羽川ダムは、平成30年7月豪雨によるダム下流域の甚大な洪水被害に伴う沿川自治体等からの治水協力への強い要望に応え、事前放流の実施可能性を検討した。その結果、混合揚水式発電所の特徴である大きな発電放流能力を活かすことで、事前放流に一定の効果が確認されたため、令和元年6月より運用を開始した。 本講義では、事前放流方法の検討概要及び実施結果等について紹介する。 |
10:55~11:55 | ⑥ 赤外線サーモグラフィを用いた機械状態監視技術について株式会社サーモグラファー |
設備の保守(保全)は、故障の都度、修理を行う事後保全と、事前に計画的に実施する予防保全に大別される。さらに、予防保全には一定周期で保修、交換、更新を行う時間基準保全(TBM)と、連続した計測・監視などにより設備の劣化状態を把握もしくは予知して保修、更新を行う状態監視保全(CBM)がある。日常的に状態監視を行い設備の信頼性を向上させることで、メンテナンスコストの削減を図ることができる。加えて、不具合発生率の低減により高い稼働率が実現され、大きな経済効果が期待できる。 本講義では、赤外線サーモグラフィを用いた電気、機械設備の状態監視技術を紹介する。 |
13:05~14:25 | ⑦ 鮎川発電所水車発電機更新工事について
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鮎川発電所(出力2,300kW)は、運転開始後50年以上を経過し、設備全般にわたり劣化が進んでいたが、経済性の面から改修が難しい状況にあった。その後の検討の結果、既設導水路活用型FIT制度の活用と設備構成の簡素化、工事工法の見直しによる工期の短縮により経済性を確保できる見通しが得られたため、平成30年11月から令和元年9月までの11カ月の工期で改修工事を実施し完了した。 本講義では、主に電気関係設備の設計、施工について紹介する。 |
14:40~16:00 | ⑧ 雪害による長期運転停止からの早期復旧と高経年老朽発電所の近代化リプレースについて
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湯沢発電所は、平成27年1月に大雪の影響で発電所建屋屋根が崩落し、発電設備の壊滅的な損傷とこれに伴う漏油などにより長期発電停止を余儀なくされた。 本講義では、発電所の再建までの軌跡と事故の教訓を受けた設備設計(豪雪地域特有の設備保全性向上や油流出リスクの低減)並びに住宅地が近接した条件下での施工方法などについて紹介する。 [電気・土木の割合が等しい講義になります] |
16:00 | 閉 会(一財)新エネルギー財団 |
令和3年2月2日(火)
テキストのみの頒布(DVD付属なし)を希望される方は、以下の方法でお申込み下さい。
一般財団法人 新エネルギー財団 水力地熱本部
担当:実務研修会担当
〒170-0013 東京都豊島区東池袋三丁目13番2号
TEL:03-6810-0364 FAX:03-3982-5101
E-mail:hydroes,nef.or.jp