新エネルギーの導入促進に関する提言
[平成24年度]

II. 水力発電の開発・利用促進に関する提言
継続的に着実な水力開発を行うための施策

(1) 新規水力開発事業者への支援

水力開発の新規参入者に対する開発支援の強化および専門技術を必要とする水力開発技術者の育成に関する支援措置が必要である。
特に、開発後の運転・保守業務については過去の経験やノウハウを必要とするため、支援強化が必要である。

(2) 開発促進を支援する施策

水力発電の新規開発を促進するためには、一般電気事業者に対する水力開発に関する支援措置、また発電に利用されていない既設ダム等の利用の促進に対する施策を講じる必要がある。

(3) 既設水力発電所の機能維持・向上を支援する施策

国産エネルギーとして水力発電所が将来に亘り一定の役割を果たしていくためには、既設水力発電所の長期に亘る安定運用や、機器のリフレッシュ・再開発、既設設備での増電力等に関する支援措置が必要である。

(4) 水力開発を通じた地域との共生

水力開発は、立地地域への依存度が高いため、所在市町村や地域住民との良好な共生関係を構築することが重要であり、電源立地地域対策交付金等、立地地域活性化への支援の拡充が必要である。

(5) イメージ・プレゼンスアップ

水力発電は、クリーンな純国産の再生可能エネルギーの大部分を占め、かつ他の再生可能エネルギーには無い長所を有している。わが国のエネルギー全体における水力発電の位置づけについて、再確認・再評価が必要である。
また、国の主導による国民世論を喚起する施策や、地元行政や電気事業者による立地地域レベルでのPR活動の活性化が必要である。

水力開発に係る規制緩和

(1) 河川法

河川法の許可手続きについて、水力発電が河川環境に与える影響の調査・研究を進め、手続き上求められる調査内容の簡素化等、一層の手続きの簡素化と迅速化を図る必要がある。

(2) 自然公園法

自然公園法の許可および届出の手続きについて、特別地域内(主に第2 種、第3 種)における開発行為に関して審査基準の明確化・具体化等、手続きの迅速化を図る必要がある。

(3) 環境影響評価法

既設発電設備の改造に関し、設置箇所の軽微な変更や既設主要設備の大幅な改造を伴わない場合における増出力について、環境影響評価の対象事業の明確化、手続きの迅速化が必要である。

(4) 森林法

森林法における保安林解除手続きについて、柔軟な対応と可能な限りの手続きの簡素化、迅速化を図る必要がある。

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