IEA-水力実施協定とは

IEA(国際エネルギー機関)

IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)は、エネルギーの安全保障および持続可能なエネルギー需給構造の確立を目的として、1974年に設立された国際機関であり、参加要件はOECD加盟(現在38カ国)であり、かつ備蓄基準(前年の当該国の1日当たり石油純輸入量の90日分)を満たすことである。現在、OECD加盟国中31カ国が参加、アソシエーション国が13か国、加盟申請中が5カ国である。図1.1に示すように、IEAでは、理事会の下に5つの常設部会が設置されている。常設部会の一つであるエネルギー研究技術委員会(CERT : Committee on Energy Research and Technology)には、各種エネルギー技術の調査・研究開発に関する4つの作業部会が設けられており、各作業部会の中に組織された国際協働プログラム(実施協定)を支援している。実施協定では、OECD非加盟国や国際組織を含む各種機関と共同研究が推進されている。2024年3月現在、再生可能エネルギー作業部会(REWP : Renewable Energy Working Party)で9の実施協定(TCP : Technology collaboration Program)が、また、エネルギー研究技術委員会全体では39の実施協定が活動している。

図-1 IEA(国際エネルギー機関)の組織

水力実施協定

水力実施協定(水力技術と計画に係わる実施協定:Implementing Agreement for Hydropower Technologies and Programmes)は、再生可能エネルギー作業部会の中の実施協定の一つであり、1995年の締結以来、加盟国等がこれまでに蓄積した水力技術を集結し、世界レベルでの水力開発の更なる促進に資することを目的に活動を行っている。水力実施協定のミッションとビジョンは以下の通りである。

IEA 水力実施協定のミッション:

一般の理解、知識および支持を通じて、水力発電の開発と運用における、水資源の持続可能な利用を促進する。

IEA 水力実施協定のビジョン:

十分に確立されており、かつ社会的に好ましいエネルギー技術としての水力発電の世界全般の認識を助長することにより、水力発電の新規開発および既設発電所の近代化を推進する。

http://www.ieahydro.org/