水力実施協定の活動

我が国では水力実施協定発足(1995年)と時を同じくして、通商産業省(当時)資源エネルギー庁公益事業部長の諮問委員会として設置されていた「水力新世紀計画策定委員会」から100年の歴史を有する水力発電が迎えた新たな世紀に志向すべき方向を示す報告がなされた。

このような国内外の動きを受けて、通商産業省(当時)はIEA水力実施協定を水力新世紀計画の実践の場と捉え、財団法人新エネルギー財団を実施機関として指名し、これを受けた外務省及び科学技術庁(当時)の承認を受け、1995年7月に新エネルギー財団が水力実施協定に調印した。

IEA水力実施協定は、その1つの活動期間を5年間としてさまざまな課題に取り組んでおり、第1期(1995~1999年)、第2期(2000~2004年)、第3期(2005~2009年)、第4期(2010~2014年)、第5期(2015~2019年)の活動に続いて、現在は第6期(2020~2024年)の活動を展開している。なお、水力実施協定の活動は、全参加国の代表により構成される執行委員会と、テーマ毎に設立される専門部会(Task(旧ANNEX))により行われている。第1期以降に実施された専門部会を下図に示す。

図-2 専門部会(Annex)の変遷

IEA水力実施協定に関わる活動概要は、これまでに以下の「電力土木技術協会誌」の誌面で紹介されている。

電力土木 No.263,1996.5 「IEAを通じた水力技術に係る国際協力」
電力土木 No.293,2001.5 「IEA水力実施協定に関わる活動状況-Phase-1の活動成果報告と
Phase-2の取り組みについて-」
電力土木 No.294,2001.7 「IEA水力実施協定に関わる活動状況(その2)-Phase-1の活動成果
報告:環境問題の現状と今後の活動に向けたガイドライン-」
電力土木 No.325,2006.9 「IEA水力実施協定に関わる活動状況-Phase-2の活動成果報告-」
電力土木 No.349, 2010.9 「IEA水力実施協定に係る活動状況-Phase-3の活動成果報告-」
電力土木 No.384, 2016.7 「IEA水力実施協定の概要とAnnex-11(水力発電設備の更新と増強)の活動報告」
電力土木 No.393, 2018.1 「「地域社会における持続可能な小規模水力発電」の好事例調査と要因分析 -IEA水力実施協定Annex-2, サブタスクA5の報告」