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秋田で地熱発電所を開発、2027年稼働目指す

出光興産とINPEX、三井石油開発の3社は、秋田県湯沢市で新規の地熱発電所「かたつむり山発電所」を稼働させると発表した。最大出力は1万4990キロワットと大型で、2022年6月中に着工し、2027年3月に運転を始める。「かたつむり山発電所」は、蝸牛山(かたつむりやま)中腹の小安地域に建設する予定。

事業への出資比率は、出光興産とINPEXが42.5%ずつ、三井石油開発が15%。出光興産など3社は化石燃料の資源開発で得た地下調査や掘削の知見がある。運営は3社の出資で2018年9月に設立した小安地熱株式会社が担う。稼働後は固定価格買い取り制度(FIT)を通じ、1キロワット時当たり40円(税抜き)で15年にわたり電力会社に売電する。

2021年に実施した約3か月にわたる噴出試験(生産能力評価のための実証試験)のデータを用いた評価の結果、約15MWの出力に相当する地熱流体(蒸気と熱水)の安定した生産が長期的に可能との見込みを得ている。また、「かたつむり山発電所」は環境や景観にも配慮した設計を行う予定で、地域に貢献する発電所の建設・運営を目指す。

【出光興産など3社が共同で実施した地熱開発の噴気試験(秋田県湯沢市)HPより】
【出光興産など3社が共同で実施した地熱開発の噴気試験(秋田県湯沢市)HPより】

地熱発電は、地下から熱水と高温の蒸気を取り出し、蒸気タービンを回して発電する。発電時に二酸化炭素(CO₂)を出さない上に、太陽光発電は天気次第で発電量が変わるのに対し、地熱発電は天候に左右されず24時間安定して稼働できる。

ただ、なかなか地熱の普及が進まない理由としては、地下の資源調査や掘削、地元の調整に時間と費用がかかる。また、最終的には蒸気として取り出さなければならないので、蒸気の圧力や温度を考えると、火力発電のレベルにはほど遠い。東京電力㈱や九州電力㈱が地熱発電を手掛けているが、設備投資あたりの発電量を考えると、あまり効率の良いものにはなっていない。

さらに、地元関係者との調整や、掘ってみないと発電設備を設置できるか分からないことなど、地熱発電を普及させる大変さは多々ある。しかしながら、資源の乏しい日本にとって、INPEXなどの企業が自らの得意技を持ちより、新たな再エネ開発に取り組むことには大きな意義がある。今後の開発状況に期待したい。

※参考資料

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