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エネルギー自給率100%を越える自治体が全市町村の1割に到達

千葉大学大学院社会科学研究院の倉阪秀史教授とNPO法人環境エネルギー政策研究所は、日本国内の市町村別の再生可能エネルギーの供給実態などを把握する「永続地帯」研究を進めている。このたび16年目となる2021年度の報告書を公表した。※「エネルギー永続地帯」とは、再生可能エネルギーで自給できる市町村のことで、域内の民生用+農林水産用エネルギー需要を域内で生み出された再生可能エネルギーで供給できる市町村のこと。

  • (1)2020年度、再生可能エネルギー電力は7.6%増加
    2020年度は太陽光発電・風力発電の伸びに支えられ、再生可能エネルギー電力は7.6%増加した。一方、固定価格買取制度の対象外である再生可能エネルギー熱供給は3.4%減少し、3年連続の減少となった。
    再生可能エネルギー供給の推移
  • (2)地域的エネルギー自給率は秋田県が2年連続1位
    地域的エネルギー自給率の都道府県別ランキングでは、秋田県が前年度に続いて1位となった。秋田県と大分県が自給率50%を超え、17県が30%を超えた。
    【地域的エネルギー自給率の都道府県別ランキング】
    • 1位 秋田県 51.3%
    • 2位 大分県 50.0%
    • 3位 鹿児島県 48.3%
    • 4位 宮崎県 46.1%
    • 5位 群馬県 39.5%
    • 6位 三重県 38.1%
    • 7位 高知県 36.0%
    • 8位 福島県 35.9%
    • 9位 岡山県 35.8%
    • 10位 栃木県 34.1%
  • (3)100%エネルギー永続地帯市町村と電力永続地帯は前年度比増加
    域内の民生・農林水産用エネルギー需要を上回る地域的な再生可能エネルギーを生み出している市町村(エネルギー永続地帯、地域エネルギー自給率が100%を越える自治体)の数が、2020年度に174になった。東京23区を含む市町村数1741のほぼ1割になったことになる。また、域内の民生・農林水産用電力需要を上回る量の再生可能エネルギー電力を生み出している市町村は、272に増えた。

再生可能エネルギーのさらなる導入拡大のためには、自治体を中心とした事業者等と連携した取組みが不可欠である。今後も自治体の計画的な再生可能エネルギー導入拡大策に期待したい。

【参考資料】

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