新エネルギー財団・廃棄物発電委員会は毎年、廃棄物発電に関する提言を関係先に発表しています。提言の基礎データとなる日本の廃棄物処理の現状を示す「一般廃棄物」に関する調査結果が3月30日に環境省から発表されました。この中から主な状況、廃棄物発電関連の項目を抜粋して紹介します。
ごみ排出量(全体、一人当たり共に)は最近10年減少傾向です。一方、ごみの余熱利用の一環である廃棄物発電施設数や総発電電力量は増加し、廃棄物処理の有効活用に貢献しています。しかし、発電設備を有する施設の発電状況は発電効率が20%以上ある施設は全体の12%程度に止まり、効率改善の余地は十分にあります。廃棄物発電委員会提言でも設備利用率向上は毎年、取り上げる課題です。
廃棄物発電は自立・分散型エネルギー導入推進の中で、廃棄物処理施設整備計画にも地域エネルギーセンターの役割として位置付けられています。環境省では本年4月1日から廃棄物処理施設を地域の防災・エネルギー拠点とするため施設整備を支援する補助事業を開始しています。災害対応機能も含めた拠点整備が目的です。
また、プラスチック資源の削減、有効活用に関心が集まる中、リサイクル体制や方針の見直しが政府方針として固まりました。有識者会議が経済産業省と環境省が合同で設置、5月中旬にも初会合との報道がありました。廃プラ処理過程の中で廃棄物発電利用が適切に位置づけられることを期待します。
なお、最近のコロナウイルスによる非常事態宣言、更に新生活様式の提言など新たな暮らし方が求められるようになりました。ごみ排出処理状況への影響も予想され、今後の動向を注視したいところです。
【ご参考】