FIT制度の抜本見直しに係る広報事活動について

2020年6月に再エネ特措法の一部改正を含む「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」（エネルギー供給強靱化法）が成立し、同法に基づき2022年4月に再エネ特措法に関する制度改正が施行される。

そこで、再生可能エネルギーを取り巻く様々な立場の関係者の方々が、この制度改正の趣旨を正しく理解・認識し、今後も再生可能エネルギー事業が継続・拡大していくように、また、再エネ関連業務の実施のために必要な連携が円滑に行われるようにという目的で、制度改正についての情報提供を行う広報活動が始まっている。

具体的に説明されている項目としては、①卒FIT制度、②FIP制度、③太陽光発電設備廃棄費用積立制度、④認定失効制度などである。

• パンフレット「FIT制度が変わります。」
  https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/data/kaitori/2021_fip.pdf
• 動画「再生可能エネルギーについてのこと」
  https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/movie/index.html

いずれも内容を説明するキャラクターに「パネ～ルくん」「サン子お姉さん」という親しみやすいキャラクターを採用し、多くの方に興味を持っていただけるように工夫されている。パンフレットも漫画調の構成で読みやすく、動画については、1つの動画を長くするのではなく、項目ごとに細かく分割することで、興味ある動画だけを見ることができるようになっており、視聴者への配慮が感じられる。

しかしながら、一般向けの内容と事業者向けの内容が混在しており、一般の方には伝え方はソフトでも内容が難しすぎ、事業者の方には詳細な説明が不足しているという状況になっている。制度改正の内容が多岐に亘るため致し方ないとは思うが、対象に応じた伝え方と内容の検討が必要であると感じた。ただ、多くの方に制度改正について知ってもらう「きっかけ」を作り、さらに理解を深めるためのステージに進ませるという効果はあるのかも知れない。

広報事業を担当する者として、様々な事例を参考にしながら、今後も人の心に残り、行動に繋がる広報を目指して取り組んでいきたい。