新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-

NEDOの業務の変遷について

NEDOは、1980年10月1日に「新エネルギー総合開発機構」として設立された。英語名の「New Energy Development Organization」からNEDOと呼ばれている。 当新エネルギー財団も同じ日に設立されており、それぞれ官民の役割分担をしつつ新エネルギーの開発導入を進めていくこととされた。当財団の定款(設立当時は「寄附行為」)は、設立にあたって多くの方から基本財産の寄付をいただいたことを踏まえ、設立時から今日まで業務内容に関しては変更していないが、NEDOは国の政策の中で、名称、業務内容等にいろいろと変更があり、設立当時から変わっていないのは「NEDO」という略称くらいなので、その変遷について解説する。

  • (1)設立当時‥‥石油代替エネルギー(新エネルギー)の総合開発
    NEDOは「石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律」により設立された。1970年代の2度にわたる石油ショックの中で過度な石油依存からの脱却が必要とされたことから、それを推進するための法的な枠組みを作り、併せて電特、石特の拡充により資金を確保し、具体的な施策の実施機関としてNEDOが設立されたところである。NEDOでは、石炭の液化、太陽光発電、地熱利用技術等の技術開発を行うとともに、海外炭の開発調査や国内の地熱資源の開発調査などを実施。
  • (2)1988年10月~ 産業技術研究開発業務の追加
    1988年10月にNEDOは新たに産業技術の研究開発業務を追加して、「新エネルギー・産業技術総合開発機構」に名称変更。石油代替エネルギーに係る研究開発の実施で培われた研究開発の遂行・管理ノウハウ等を生かして、産業技術研究開発業務も行うこととし、技術開発政策の総合推進機関となった。
  • (3)1993年4月~ 新エネ・省エネの導入補助業務、海外実証等の業務を追加
    新エネルギー技術や省エネルギー技術の導入の促進のための補助金交付業務や海外での展開のための実証業務を追加し、新エネ・省エネ技術の開発から導入までの総合的な推進を担うことになって業務を拡大。
  • (4)2003年10月~ 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構発足
    2001年1月の省庁再編とともに推進された特殊法人改革のなかで、上記(2)、(3)により二通りの総合開発を担うことになり業務が肥大化していたNEDOは独立行政法人化を前に業務のスリム化を厳しく求められることとなった。省庁再編により工業技術院が解体され、研究の実施機関としての産業技術総合研究所の独立、技術開発・標準化政策の本省への移管が行われるなかで、NEDOは研究開発プロジェクトの立案から遂行・管理を担うことを中心に業務を再構築することとなり、新エネ・省エネの導入補助事業については、NEDO以外での実施の可能性を考慮しながら順次減らしていくこととし、2010年頃までにはそれまで行っていた新エネ・省エネに係る導入補助事業を終了している。
  • (5)2012年9月~ 石炭・地熱資源開発に係る調査業務等のJOGMECへの移管
    NEDO設立以来30年以上にわたって行ってきた海外の石炭資源の開発調査や国内の地熱資源の開発調査に関する業務をJOGMECに移管。法律的には導入補助事業等を行う余地は残しつつも、実質的に技術開発マネジメント業務に集中する体制となった。
  • (6)2015年4月~  国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構発足
    名称も含めて新エネルギー及び産業技術の技術開発マネジメントの総合的な実施機関となって今日に至っている。

2022年11月にはJOGMECに洋上風力に関する調査業務や水素・アンモニアに係る施設整備支援業務等が追加され、さらにその正式名称もエネルギー全般を取り扱う名称に変更されたことを考えると、40年を経てのNEDOと当財団の距離がしみじみと感じられるところである。

ページトップへ