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RE100企業の動向(その3)

RE100企業の動向として、これまでにイオン株式会社やソニー株式会社の取り組みを紹介した。今回も引き続き、日本のRE100加盟企業の取り組みについて紹介する。

2018年3月にRE100に加盟した大和ハウス工業株式会社は、「大和ハウスの “RE100”への挑戦 -自らの再エネ100%&再エネ100%の街づくり-」という取り組み案件で、令和元年度新エネ大賞を受賞している。

大和ハウス工業は、発電事業者として係わる再エネ発電設備の容量が、太陽光発電と風力発電を主体に、2019年3月末現在で、298MW(217ヶ所)に達しており、2030年までに、グループの総電力使用量を上回る再エネ電力の供給実現を目指している。また、同社が販売した戸建オーナーに対し、FIT制度終了後の太陽光発電電力の買取を発表しており、買取対価をポイント還元し、リフォーム工事などへの優遇を行うなどの取り組みも計画している。事業特性を生かした積極的な再エネの導入促進への取り組みが評価され、新エネ大賞受賞を受賞している。

当社グループは、事務所や工場、商業施設、物流施設など多様な自社施設を運営、省エネや再エネを推進しており、自社施設等に設置した再エネ発電容量は前述の通り298MWにもなる。これらの施設運営で得た省エネ・再エネのノウハウや好事例をお客様に提案し、当社が運営する施設の約6.8倍となる2,026MWの再エネ発電所を販売、拡大を図っている。これらの再エネによるCO2削減貢献量は、20年間で2,000万トンにのぼる。また、街づくりでは自社施設での省・創・蓄エネのノウハウを利用した再エネ100%の街を実現している。

特に再エネについては、当社グループで「つくる」「運ぶ」「使う」の各段階で取り組みを行っている。具体的には、自社グループの再エネ発電所で「つくり」、電力小売事業者として非化石価値取引市場から非化石証書を調達して、使う現場まで「運び」、エネルギーを「使う」街では建設から暮らしまでを再エネ電気100%にする、こうした取り組みを通じて、国内での「再生可能エネルギーの主力電源化」を目指している。

大和ハウス工業の取り組みは、人々の生活に密着しており、社会に与える影響や波及効果が大きく、今後の広がりが期待できる。今後もRE100加盟企業の先進的な動きに注目していきたい。

【ご参考】

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