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TCFD

「TCFD」とは、「気象関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の略称である。本組織が設立された背景には、金融機関が企業の気候変動関連のリスク・機会を企業の戦略や財務計画と関連づけて適切に評価できるような、より良い情報が必要となってきたことがあり、現在もTCFD提言は重要な役割を果たしている。

2015 年12 月に採択されたパリ協定を受け、気候変動の緩和及び適応の両面での取り組みが世界で進む中、金融業界においては、気候変動は投融資先の企業の事業活動に多大な影響を与える可能性があることから、保有資産に対する気候変動の影響を評価する動きが広まっている。特に、長期的な投資を行う機関投資家(年金基金、保険会社等)の間では、投資判断における企業のリスク・機会の要因として気候変動を含むESG(環境、社会、ガバナンス)要素を重視する考え方が進展しており、世界のESG 投資額は過去4年間で1.7 倍に拡大している。

一方で、企業に求める気候変動の影響に関する情報開示の程度は十分ではなく、金融機関は気候関連問題を企業の戦略や財務計画と関連づけて理解できない状況だった。その結果、金融機関は投融資・保険引受けの判断が十分に行えず、将来、資産価値の大幅な急変が生じることにより、金融安定性が損なわれるリスクがあるとの懸念があった。これを受けて、G20 財務大臣及び中央銀行総裁は、金融安定理事会(FSB)に対して、気候関連問題をどのように考慮することができるかレビューを実施するよう求めた。2015 年9 月に行われたレビューの中でFSB は、金融機関が企業の気候関連問題を適切に評価できるような、より良い情報が必要であることを明らかにした。

これを受けて、FSB は2015 年12 月に民間主導の「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」を設置した。TCFD は、銀行や保険会社、年金基金などの金融系企業・団体と、エネルギー、運輸、素材などの非金融系企業に属する32 名のメンバーから構成され、約1 年半の検討期間を経て2017 年6 月に最終報告書「TCFD 提言」を公表した。TCFD 提言では、企業が任意で行う気候関連のリスク・機会に関する情報開示のフレームワークが示されており、同提言の趣旨に賛同する機関等は2018 年12 月25 日現在で563 機関に上っている。

経済産業省においても2018年12月に「TCFDガイダンス2.0」を策定し、業種別に気候変動のリスク・機会に対する「望ましい戦略の示し方」や「推奨する開示ポイント・視点」を解説している。

例えば、エネルギー業界に対しては、開示推奨項目の例として、「再エネや発電設備の効率化・次世代化に向けた技術開発、当該技術に関する考え方、効率改善効果」を挙げている。

現在、CO₂排出係数の高い「石炭火力発電」に批判が集まっているが、石炭はその埋蔵量、価格等から今後もエネルギー源として必要なものに変わりない。最新技術の活用、高効率化、バイオマス混焼、CCS・CCUの活用等によって、気候変動関連のリスク・機会を適切に減らしながら、共存することが大切だと考える。そのためにも、「石炭」は全てダメではなく、その活用について、正しく判断するための基準を持つことが重要であると考える。

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