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分散型エネルギーシステムと地域活性化(その4)
(エネルギー総合工学研究所・月例研究会 2020.07.10より)

今回、「分散型エネルギーシステムと地域活性化」というテーマで地域におけるエネルギーを利用した活動レポートを論文紹介や実際の活動状況などにより、3回に分けて紹介しました。また、「『自然エネルギー』と『地域』という視点を共有する若い人々が結集」している様子を取り上げた「エネルギーの世界を変える。22人の仕事」(京都大学・諸富徹教授監修)など、書評の形式でエネルギーと地域活性化の実務に携わる若者の仕事ぶりも見てきました。

本年7月初めに(一財)エネルギー総合工学研究所による月例研究会が開催され、オンラインセミナー形式で、以下のテーマによる講演がありました。

  • 1)「日本版シュタットベルケの可能性」 諸富徹(京都大学経済学研究科)
  • 2)「地域エネルギー利活用の展望と課題」 森山亮(エネルギー総合工学研究所、以下、「エネ総工研」)

1)の諸富先生は書評で取り上げた「22人の仕事」監修者、2)の森山研究員はやはり最近のキーワード・話題解説コーナーで取り上げた論文の執筆者と偶然にも講演者が重なりました。今回の発表内容もご紹介します。

  • 1)「日本版シュタットベルケの可能性」は問題設定として、
    • ・分散型電源への移行
    • ・地方創生、地域再生を促すチャンス
    • ・FIT導入だけでは地域は発電事業に資源を提供するだけに終わる恐れ
    • ・売電収入をその地域に再投資することで地域の持続可能な発展を可能に
    などが挙げられています。
    人口減少下の都市経営をどうするかという問題意識のもと、地域循環経済の促進と地域付加価値の創出を指摘。実現のための具体的な手法としてドイツで活用されている「シュタットベルケ」という自治体出資の公益事業体をモデルにしています。日本版「シュタットベルケ」を各都市の実例を紹介、提唱されています。
  • 2)「地域エネルギー利活用の課題と展望」は「エネ総工研」による2050年に向けた中長期ビジョン、技術展望を示しながら、分散型エネルギーシステムを解説しています。地方都市や過疎地域といった地域に賦存するエネルギー活用により、地域の産業活性化、財源確保を訴えています。諸富先生と同様に地域における経済循環を理想としています。また自治体の関与の重要性も指摘されています。

昨年、再生可能エネルギーの主力電源化がうたわれ、競争電源と地域活用電源という電源特性に応じた制度のあり方が具体的に議論されています。今回、紹介した分散型エネルギーシステムと地域活性化の取り組み、論文などは実際の展開です。日本では大規模な人口減少が目前に迫っており、喫緊の課題解決のためにも、是非地方でのエネルギーの有効利用に取り組む試みを支援したいものです。

【ご参考】

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