新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-

福島県相馬市での水素を活用したCO2フリーの循環型地域社会創り

先駆的な技術で再生可能エネルギーを最大限に活用し、IT・蓄電池と水素製造、蓄熱、未利用エネルギーの燃料化を組み合わせたスマートエネルギーシステムによる『持続性のある地産地消型のスマートコミュニティ』の構築に取り組んでいる福島県相馬市を紹介します。

具体的には、太陽光発電設備と自営線を新設し、下水処理場等に再生可能エネルギー電力を供給しCO2削減を図るとともに、地域エネルギーマネジメントシステムを導入し、太陽光余剰電力を一般送配電系統に逆潮流させずに、蓄電・水素・熱に転換し最大限地域で使い切る(地産地消)システムを構築し、地域のエネルギーコスト低減を図っています。

導入効果としては、以下を目指しています。

  • 太陽光発電電力の導入により、対象地域で年間最大約1,740tのCO2削減効果
  • 地域エネルギーマネジメントシステムの導入により、対象地域で年間最大約800万円の電気代の削減
  • 再エネ電力の地産地消モデルケースとして、将来の再エネ大量導入時に系統連系できない地域等で、本事業で実践した技術やシステムを利用した事業化

事業概要は

  • 〇 主な事業者:相馬市、株式会社IHI、そうまIグリッド合同会社
  • 〇 事業費:1,299百万円
  • 〇 主な導入設備
    • 太陽光発電設備:1,600kW(PCS 1,250kW)
    • 蓄電池システム:2,500kWh(PCS 500kW)
    • 送配電設備、受変電設備、逆潮流防止制御装置
    • 地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)
    • BCP対応システム:水電解水素製造装置、燃料電池システム他
    • CEMS管理棟

将来的には、災害長期停電時の市庁舎、病院、避難所、福祉避難所等への電力供給のための外部給電付のFCV(Fuel Cell Vehicle)を導入予定であることから、その実現と併行して検討予定の余剰電力を有効活用する先進水素研究のオープンイノベーション展開に期待しています。

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