湿潤系バイオマスのエネルギー利用では、対象バイオマスをメタン発酵させてバイオガスを発生させてからエネルギー利用を行う場合が多い。
利用される湿潤系バイオマスには次のようなものがある。
また、上記の対象バイオマスをメタン発酵させる際の技術にはメタン発酵菌の特性から次のような方法がある。
さらに、水分の量から湿式(80~95%)と乾式(60~80%)の方法があるが、実質的に用いられている方法は、中温発酵では湿式が、高温醗酵では湿式または乾式が多く用いられている。
ここで、メタン発酵させて発生してくるガスについて、対象のバイオマスによって名称が次のようにいくつか付されているが、成分的にはメタンガス約55~75%と二酸化炭素約45~25%、他の微量成分からなっているため、一般的にバイオガスと言われている。
このようにバイオマスメタン発酵させて得たバイオガスをカーボンニュートラルなエネルギー利用で活用していく中で、いくつかの課題が出ています。それは、バイオガスを発生した後の残渣(消化液や残留固形物)の扱いです。
通常はその残渣を廃棄物として環境処理をして排出していきますが、状況によっては残渣の性状が肥料等で使用できるものもあるため、その活用を検討します。その時に、冒頭で示したように、主な所轄官庁が複数あり、手続きが煩雑なこと、残渣の性状評価について共通の方法が決まっていないこと、等から活用できる残渣でありながら廃棄物として処理している場合が出ています。
今後、この課題を関係者間で調整をしていくことが必要と考えます。