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「カナディアンソーラー(インフラファンド)財務」紹介

前回、拡大する日本の太陽光発電事業者のランキングを紹介しました。

今回はTOP50の一社、先のランキング中で13位に位置するカナディアンソーラー(容量:249.0MW)の財務状況を紹介します。この法人はTOP50社中ただ一社、インフラファンドとして上場。そのため、詳細な財務レポートが公表、所有施設状況も公開されています。

第5期(2019年7月1日〜2019年12月31日)の資産運用報告から以下を紹介。

  • 1)カナディアン・ソーラー・グループ概要
    • ・2001年 カナダにて太陽電池専業メーカーとして創業
    • ・2009年 日本において太陽光発電システム販売開始
    • ・2013年 日本において太陽光発電設備開発事業に参入
    • ・2017年 投資法人(インフラファンド)運用開始
    • 世界に製造、販売拠点を展開、太陽光発電の垂直統合モデルを運用。
  • 2)第5期決算主要項目
    • ・営業収益: 2088百万円、営業利益:696百万円、当期純利益:534百万円
      ちなみに、前期と合わせた年間では、営業収益:43億円、純利益:12億円、営業収益に対する純利益率は27.9%です。
  • 3)保有資産状況
    • ・2109年12月末現在で保有物件は21物件、パネル出力合計は119.8MW。
      *なお、保有資産と別にスポンサーパイプラインとして、稼働済資産及び建設中資産で156.9MW。
      更に開発中資産204.3MWで合計361.2MWを2年以内に取得を計画とのこと。先に紹介のランキングレポートの数値ベースと異なる理由と考えられます、ご承知ください。
    • ・保有物件所在は鹿児島県、大分県、熊本県など九州地方を中心に全国。
    • ・買取価格は40円、36円、32円で保有物件中の70%近く。

2013年、F I T制度開始時期とほぼ同じく事業を開始。初期価格による買取物件が多いこと、また自社パネル製造・世界でメガソーラー展開など同社の強みが発揮されていること、などが利益率アップに貢献していると想像。なお、純利益全額は分配金に充当されています。また、株主インタビューに対し、昨年の九電管内での出力規制問題、発電側基本料金問題などにも触れています。

投資ファンドという性格上、事業会社より一層、株主への利益配分を原則とするものと思いますが、F I T買取期間終了後も継続した投資を行い電力安定供給の一翼を担っていただくことを期待します。

【参考】

  • ・カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人 第5期資産運用報告
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