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海外の再エネ事情(欧州 その2)

欧州の36か国の43送電システム事業者を代表する ENTSO-E (the European Network of Transmissions System Operators for Electricity) が2018年12月に発表した“Electricity in Europe 2017”には欧州34か国の2018年6月時点での電力状況をまとめられています。

2017年の消費電力量は3,329TWhに達しました。2016年から2017年にかけて東欧諸国では消費が拡大している一方で、西側諸国での消費動向は様々です。ドイツ、オーストリア、英国では消費に落ち込みが見られますが、その他の中央ヨーロッパでは、消費動向にほとんど変化がなく、スペイン、ポルトガルでは、限定的ではありますが、消費に伸びが見られます。消費電力全体の34.1%が再生可能エネルギーで賄われています。水力発電以外では、19.1%となります。

2017年末の発電容量は1,060GWでした。水力発電以外の再生可能エネルギーは2016年比24GW(8.2%)増となっており、全体のほぼ30%となっています。発電電力量は、風力発電の成長もあり、全体で10.9%拡大しています。一方、水力発電は、降雨量が少なかったことにより9.3%減少しました。

水力発電所は、カルパチア山脈や、スカンディナヴィア半島に集中しています。水力発電による発電量は、降水量に左右され、各国の状況により異なります。

風力発電の発電電力量は、2016年比で17.3%増えました。これは、風力発電の発電容量が2016年度比9.8%増の167GWに達したこと、風況に恵まれたことに起因しています。

風力発電と同様に、太陽エネルギーも、発電容量の増加(2016年比6.4%増)と気象条件により、6.1%の伸びを見せています。

【参考】

  • ・Electricity in Europe 2017, ENTSO-E
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