新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ-

海外の再エネ事情(Renewables in Energy Demand: Global Trends)

2023年にREN21が発表した”Renewables in Energy Demand: Global Trends”では、世界のエネルギー需要における再生可能エネルギーについてまとめています。

2022年には欧州をはじめ世界中でエネルギー価格が2008年以来最高レベルまで高騰しました。IEAは2022年の電力料金値上げの90%が化石燃料の価格上昇によるものであると推測しています。2022年は世界的なインフレに起因するエネルギー危機が起こった年でしたが、再生可能エネルギーの信頼性、安定性、価格の妥当性が認識されて普及が促進された年でもありました。

建設(商業、住宅、公共施設)部門では、2022年末時点で52カ国が、太陽光発電システム、ソーラー給湯設備、バイオマスボイラー、地熱ヒートポンプ設備などの導入に対する補助金、ビル内の暖房に対する化石燃料使用禁止義務など、再生可能エネルギーの利用に対する支援施策を実施しています。

産業部門では、2022年末時点で19カ国が再生可能エネルギー使用義務または奨励制度を採用しています。2022年には、EUが炭素国境調整メカニズムの設置に対して政治的合意に達したと発表しました。2026年から電力、水素、鉄鋼、セメント、肥料、アルミに関連するEU域外からの輸入品に炭素税を導入するというものです。

輸送部門は、再生可能エネルギーの割合が最も低い部門ですが、2022年末には61カ国がバイオ燃料利用義務、電気自動車導入目標または、内燃機関自動車の禁止などの再生可能エネルギー使用義務を導入しています。

農業部門では、14カ国で太陽光発電による灌漑などに対する出資、補助金、課税控除などが行われています。

【参考】

  • ・Renewables in Energy Demand: Global Trends, REN21
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